明治安田生命J1リーグは今週末に第26節が開催される。代表ウイーク明けの一戦で、各チームはどのような戦いを見せるのか。佳境を迎えた優勝、残留争いをはじめ、見逃せないカードが目白押しだ。
首位の広島はアウェイで鳥栖と対戦。前節は鹿島に3-1と快勝を収め、勢いをさらに加速させている。エースのパトリックが好調を維持し、堅守も蘇ってきている。代表帰りの青山 敏弘、佐々木 翔のパフォーマンスにも注目が集まる。対する鳥栖は前節、FC東京に引き分け、連勝はならなかった。それでも2試合連続無失点と堅い守りは保たれている。課題は得点力。フェルナンド トーレスが広島の堅守にいかに挑むのか。このワールドクラスの出来が勝敗を分けるポイントとなりそうだ。
2位の川崎Fと4位の札幌の一戦は、今節の最注目カードとなる。川崎Fは前節G大阪に敗れ、6試合ぶりの黒星を喫した。広島との勝点差が9に広がり、これ以上の取りこぼしは許されないところ。前節、不発に終わった攻撃陣が意地を見せられるか。対する札幌は3連勝。都倉 賢が4試合連続ゴール中と絶好調で、このエースが再び爆発すれば、上位撃破も十分に実現できるはずだ。
3位のFC東京は仙台の本拠地に乗り込む。ここ5試合勝ちがなく、2試合連続スコアレスドローと得点力不足を露呈する。ディエゴ オリヴェイラに対するマークも厳しくなっているだけに、得点パターンのバリエーションを増やしたいところだ。仙台はここ5試合で4勝と、好調を維持する。前節も終了間際に決勝点を奪い、清水に競り勝った。勝負強さも身に付けつつあり、上位チームを撃破してACL出場争いに名乗りを上げたい。
5位のC大阪はホームに磐田を迎える。一時期の不調を脱し、再び勢いが生まれつつある。日本代表の活動で負傷した杉本 健勇は不在となるが、怪我のため代表招集を辞退した山口 蛍は復帰が濃厚。清武 弘嗣も状態を上げており、攻守にアグレッシブな戦いが展開されそうだ。一方の磐田は前節、磐田に1-6と完敗。自慢の守備組織が崩れての大敗だっただけに、ダメージは小さくないだろう。それでも中村 俊輔が復帰したのは好材料で、この司令塔のパスワークがチームにリズムを生み出すだろう。
神戸はホームでG大阪と対戦。現在2連敗と状態は下降気味だ。今節は、前節に退場処分を受けたルーカス ポドルスキが出場停止となる。攻撃の核を1枚欠くなかで、アンドレス イニエスタにかかる期待はさらに高まる。日本のファンを魅了するスーパースターは果たしていかなるプレーを見せるのか。そのパフォーマンスから目が離せない。対するG大阪は前節、川崎Fを撃破して復調の気配を示す。カギを握るのは川崎F戦でふたつのゴールを生み出したセットプレーになるだろう。3バックに変更し守りの安定が生み出されただけに、粘り強い守備と質の高いセットプレーから、勝機を見出したいところだ。
鹿島はホームに湘南を迎える。ここ2試合勝ちがなく、前節は広島に完敗。先制しながらもリードを守り切れなかった守備組織の修正が求められそうだ。対する湘南は前節、長崎に快勝を収め、6試合ぶりの白星を手にした。ベテランの梅崎 司にゴールが生まれたのは好材料で、今節もこの経験豊富なアタッカーがカギを握る存在となりそうだ。
横浜FMvs浦和も興味深い一戦となりそうだ。横浜FMは前節、3-1と柏に快勝。その後に行われたルヴァンカップでもG大阪に大勝し、状態を上げている。持ち前の攻撃が機能し、守備の安定も生まれつつある。現在は14位に沈んでいるものの、復調の気配を漂わせている。一方の浦和は3試合勝利がなく、現在は2連敗中。3試合で9失点と守りに不安を露呈。破壊力を秘めた横浜FMの攻撃をいかに凌ぐかが、今節の焦点となりそうだ。
柏はホームに清水を迎える。前節は横浜FMに敗れ、またしても連勝を実現できなかった。3失点を喫した守備の修正がポイントとなるだろう。一方の清水もなかなか結果がついてこない。今節は加入後8試合で6得点とゴールを量産するドウグラスが出場停止に。得点源の不在をいかに乗り越えるのか。他の攻撃陣の奮起が求められる。
破竹の勢いで連勝を続ける名古屋は、ホームで長崎と対戦。前節も磐田に6ゴールの快勝。圧巻の攻撃サッカーは試合を重ねるごとに迫力を増している。得点を量産するジョーだけでなく、ガブリエル シャビエルや前田 直輝ら他の攻撃陣も好調を維持する。この連勝はどこまで続くのか。その戦いに注目が集まる。長崎は5連敗と名古屋とは対照的な状況に置かれる。失点が減らず、得点の数も増えてこない。攻守両面に不安を抱えるなか、今節も好調チームが相手とあって、苦戦は免れないだろう。それでも持ち前のハードワークと強固な組織力を武器に、粘り強い戦いを展開したい。
■各試合の見どころをチェック
鹿島vs湘南
C大阪vs磐田
仙台vsFC東京
鳥栖vs広島
名古屋vs長崎
柏vs清水
川崎Fvs札幌
神戸vsG大阪
横浜FMvs浦和