中3日での試合が続く明治安田生命J1リーグは、19日に第23節が開催される。
注目は広島vs川崎Fの首位攻防戦だ。勝点49で首位を走る広島を、勝点40の川崎Fが追う構図だが、川崎Fはひとつ消化試合が少ないため、十分に逆転できる状況にある。広島が引き離すのか、川崎Fが追いすがるのか。両者の意地とプライドがぶつかり合う、激しい一戦が期待できる。前回対戦では広島が終了間際のパトリックの一撃で勝利を収めたが、果たして今回はいかなる決着を見るのか。一瞬たりとも見逃せない90分となることは間違いない。
その2チームを追いかけるFC東京はアウェイで札幌と対戦。前節は柏に競り負け、2連敗。2試合連続で終盤の失点に泣いているだけに、90分を通してのリスクマネジメントが求められるだろう。一方の札幌も3試合勝利がない。それでも前節は後半アディショナルタイムの都倉 賢のゴールで追いつき、G大阪と引き分けている。こちらは立ち上がりの失点が目立つだけに、試合の入り方に注意を払いたい。
4位の神戸はアウェイで湘南と対戦する。前節は先制されながらもイニエスタの2試合連続ゴールで追いつき、首位の広島と引き分けた。イニエスタとポドルスキのホットラインが機能しており、さらに勢いに乗っていきそうだ。一方の湘南は2連敗。前節は仙台相手に4失点と完敗を喫している。守備組織を再整備し、神戸の攻撃に対抗したい。
前節、8試合ぶりに勝利を収めたC大阪は、長崎の本拠地に乗り込む。3バックの新システムが機能し、攻守両面で安定感を増している。上位争いに踏みとどまるためにも、連勝を実現したい。対する長崎は4試合勝利がなく、ついに降格圏に沈んだ。前節は先制しながらも鹿島に逆転負け。今節も押し込まれる展開が予想されるが、持ち前のハードワークを発揮し、一瞬の隙を突く戦いに勝機を見出したい。
鹿島はホームに横浜FMを迎える。前節は長崎に競り勝ったが、先制される試合が続いているだけに、立ち上がりからギアを高め試合の主導権を握れるかがポイントとなるだろう。一方の横浜FMは前節、名古屋に競り負け14位に沈む。残留争いに巻き込まれるなか、期待されるのはFC東京から期限付き移籍加入した久保 建英だろう。高い攻撃スキルを備える17歳がいかなるパフォーマンスを見せるのか。その一挙手一投足に注目が集まる。
2連勝と好調の仙台は、ホームにG大阪を迎える。前節は湘南に4-1と快勝。ゴールを量産し、エース格に成長を遂げた西村 拓真にかかる期待は大きい。対するG大阪は前々節に宮本体制初勝利を挙げたものの、前節は終了間際の失点で札幌と引き分けた。リードを守り切れない試合が目立っているだけに、逃げ切りを実現するうえでも宮本 恒靖監督の采配がポイントとなるだろう。
浦和はアウェイで清水と対戦。前節は4ゴールを奪って磐田に快勝。ハットトリックを達成したファブリシオの出来が、今節もカギを握りそうだ。清水は3連勝の後に3連敗と、再び勢いを失っている。好調を支えていた守備組織にほころびが見られているだけに、このポイントの修正が重要なテーマとなる。
磐田はホームに柏を迎える。2連敗と元気がなく、前節は浦和に4失点の完敗。持ち前の堅守が崩れての敗戦だけに、そのダメージは大きいだろう。ショックを引きずらず、いかに切り替えられるかが、この試合の大きなテーマとなるだろう。一方の柏は前節、FC東京に競り勝ち、好転の兆しを見出している。ここ3試合で2得点の瀬川 祐輔が今節もキープレーヤーとなりそうだ。
名古屋vs鳥栖の残留争い直接対決も激しい戦いが期待できる。名古屋は4連勝で16位に浮上。今、最も勢いのあるチームであることは間違いない。ただし、今節はその好調を支えるジョーが出場停止のため不在となる。エースを欠くなか、他の攻撃陣の奮起が求められる。対する鳥栖も3戦負けなしで15位に順位を上げている。この間、ひとつのゴールも許しておらず、前節も川崎Fの猛攻を凌ぎ切り、スコアレスドローに持ち込んだ。攻撃力が売りの名古屋か、堅守を誇る鳥栖か。その特長を生かしたほうが、勝利に大きく近づくはずだ。
■各試合の見どころをチェック
札幌vsFC東京
清水vs浦和
名古屋vs鳥栖
長崎vsC大阪
鹿島vs横浜FM
仙台vsG大阪
湘南vs神戸
磐田vs柏
広島vs川崎F