明治安田生命J1リーグは、今節から後半戦がスタート。優勝・昇格・残留と、様々な争いが本格化してくるなか、勝点の重みはさらに増してくる。今後はよりシビアで激しい戦いが展開されていくはずだ。
首位の広島はホームに浦和を迎える。前節はチャンスを作りながらも決めきれず、名古屋とスコアレスドローに終わった。決定力を欠いたなかで、パトリックら前線のタレントが意地を見せられるか。対する浦和は4戦負けなしと状態を上げている。前節は先制されながらも興梠 慎三のゴールで追いつきC大阪と引き分けた。粘り強さも備わりつつあるなか、堅い守りとセットプレーを武器に首位撃破を狙う。
広島を7ポイント差で追うFC東京は、一足先に金曜日に試合を行う。9試合負けなしと快進撃を続けており、前節は横浜FCに5ゴールを奪って快勝を収めている。ディエゴ オリヴェイラが再び状態を上げているのも好材料で、このエースの出来が重要なカギを握りそうだ。長崎は3連敗と苦戦が続く。前節は川崎F相手に粘り強い戦いを見せたものの、一瞬の隙を突かれて失点し、敗れている。守りの安定感は備わるだけに、2試合無得点の攻撃陣の奮起が求められる。
3位の川崎Fは湘南とのアウェイゲームに臨む。前節は小林 悠の一撃で長崎を撃破。4連勝と勢いを加速させており、力強く2強を追走する。湘南は前節、イニエスタ・フィーバーに湧く神戸に対し、持ち前のハードワークを武器に快勝を収めた。3戦負けなしと調子を上げており、同県対決を制してさらなる浮上を狙う。
C大阪はアウェイで仙台と対戦。ここ3試合勝ちがなく、水曜日に鹿島との第14節をこなしたばかりとあってコンディション面にも不安を残す。主力に負傷者が相次ぐなか、この苦境をいかに乗り越えていくのか。まさに正念場の一戦となるだろう。対する仙台は前節、終了間際の西村 拓真のゴールで鳥栖に競り勝った。前々節の大敗から上手く立て直し、粘り強く勝利を手にしている。今節も守備の安定感を保ちつつ、相手の隙を突く戦いに勝機を見出したい。
横浜FMはホームに清水を迎える。前々節は仙台相手に8ゴールを奪った一方で、前節はFC東京に5失点。出入りの激しい戦いを続けている。それでもこのチームの特長は攻撃面にあり、今節もアグレッシブなスタイルで多くの得点シーンを生み出していきそうだ。対する清水は2連勝と調子を上げている。前節は新戦力のドウグラスが早速結果を出すなど、とりわけ攻撃面に明るい材料が増えている。横浜FMのハイラインを上手く突ければ、大量得点も実現できるかもしれない。
神戸はホームに柏を迎える。前節はイニエスタがJリーグデビューを果たしたものの、湘南の勢いに押され、0-3と完敗を喫した。今節はイニエスタのスタメン出場の可能性が高まっており、そのパフォーマンスに大きな注目が集まる。卓越したパスワークに周囲が呼応できれば、魅力的な攻撃サッカーが見られるはずだ。柏は2連敗と苦戦する。前節は鹿島に6失点の完敗を喫しており、守備の再整備が求められるだろう。
鳥栖も注目チームとなる。前節、Jリーグデビューを果たしたフェルナンド トーレスに加え、今節を前に鹿島から金崎 夢生を獲得。日本屈指のストライカーは、この磐田戦で早速デビューすることが濃厚だ。スペインと日本の点取り屋を手にした鳥栖は、課題の得点力不足を解消できるか。2人のパフォーマンスから目が離せない。対する磐田は4試合勝ちがなく、10位に転落。それでもこちらにも、大久保 嘉人というビッグネームが加わった。高い決定力を誇るこのストライカーは、果たして悪い流れを払しょくするゴールを生み出せるか。
レヴィー クルピ監督を解任したG大阪にとっても、重要な一戦となる。宮本 恒靖新監督の下、新たなスタートを切る。現在16位と低迷するなか、新監督はいかにチームを立て直していくのか。その手腕に大きな注目が集まる。対する鹿島は2連勝と調子を上げている。リーグ再開後の3試合で11得点と攻撃陣が絶好調で、金崎に代わるエースとして期待される鈴木 優磨も高い決定力を示している。前節から中2日のハードスケジュールのなか、この攻撃力を保つことができれば、さらなる浮上も見えてくるだろう。
なお、名古屋vs札幌は悪天候のために中止が発表されている。
■各試合の見どころをチェック
FC東京vs長崎
横浜FMvs清水
仙台vsC大阪
湘南vs川崎F
G大阪vs鹿島
神戸vs柏
広島vs浦和
鳥栖vs磐田