6月20日(水)、タイ国境付近に位置するウンピアム難民キャンプにてサッカーフェスティバルが開催された。
同フェスティバルは、ウンピアム難民キャンプ委員会、スポーツ支援を行うNGO Right to Play、また教育・文化活動を支援しているシャンティ国際ボランティア会の主催により開催され、ジュビロ磐田でプレーした後タイとインドで活躍し、現在はタイで活動する本田 慎之介氏がサッカーコーチとして参加した。
ウンピアム難民キャンプは1999年、ターク県ポップラ郡に設立され、現在ミャンマーから逃れた難民約11,000人が暮らしている。キャンプ内は複数の民族と宗教が混在し、長引く難民生活から自立や将来への不安を抱える難民も増えており、ミャンマー国内の情勢変化を受けて本国帰還が議論されながらも、帰還の実現はまだ少数である。
フェスティバル当日は、国連が定める「世界難民の日」であったため、キャンプの入り口には多くのキャンプ住民、また国連機関やNGOの関係者が集まり活気を帯び、式典では在タイ日本国大使館の大村公使と本田氏によるスピーチが行われた。
式典の後、車で山の谷あいに所狭しと連なる家々の間を抜けていくと、広いグランドとともに多くの子ども達が一行を出迎えてくれた。
間もなくして、本田氏を中心に、青年の部と子どもの部と2セッションに分けてサッカー教室が行われた。時折スコールが降る中泥だらけになりながらも、男女関係なく総勢150名がボールを追いかけながらサッカーを楽しみ、グランドは笑顔で溢れた。最後には、本田氏から子ども達に向けて、サッカーはじめ自分の好きなことを全力で楽しむ大切さが語られ、子ども達を応援するメッセージが送られた。
午後には、グランドから図書館へ移動し、本田氏による絵本「ミラクルゴール」の読み聞かせが行われた。将来の夢について本田氏が子どもたちに問いかけたところ、男の子は「サッカー選手」が半数以上、また女の子でも「バレーボール選手」と言う子がおり、スポーツが人気だった。最後には折り紙で紙飛行機を作り、みんなで願い事をして1日の活動を締めくくった。
なお、本イベントはスポーツ国際貢献事業であるSport for Tomorrowの認定を受けており、在タイ日本大使館、国際交流基金バンコク日本文化センター、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が後援している。