天皇杯の開催もあり、明治安田生命J3リーグは、5月に3試合のみを消化した。
今月、好調ぶりを示したのは鹿児島だ。4月を3連勝で乗り切ったチームは、5月に入ってもその勢いに陰りは見えず、2勝1分で勝点7を加算。沼津を得失点差でかわして、ついに首位に躍り出ている。3試合すべてで複数得点を記録したように、攻撃面が機能しており、1点差で競り勝つ勝負強さも生まれつつある。目標とするJ2昇格に向けて、今後もさらに加速していきそうだ。
2位に転落した沼津は、深刻な得点力不足に陥っている。5月の3試合でわずか1得点と、持ち前の攻撃力が失われつつある。鹿児島に食らいついていくためにも、序盤戦の勢いを取り戻したいところだ。
3位につけるのはC大23だ。3節以降、負けなしを続けるチームは、5月も1勝2分と無敗で過ごした。9節の鳥取戦では4ゴールを奪う快勝を収めるなど、攻撃力も高まりつつある。直近の2試合では勝ち切れなかっただけに、勝負強さを身に付けることが今後のテーマとなりそうだ。
このC大23をはじめ、U-23の3チームがここまで健闘を見せている。G大23は26日に第8節の試合をこなしたため5月に4試合を戦い、2勝2敗と五分の成績に。それでも沼津と北九州にそれぞれ快勝を収めるなど、力強い戦いを披露。現時点で5位と上位争いに踏みとどまっている。
F東23も4試合を戦い、2勝1分1敗と調子を上げている。序盤の出遅れを取り戻しつつあり、今後の巻き返しが期待できる。
復調の兆しを見せていた秋田は、5月に入りやや停滞。直近の試合では長野に逆転負けを喫するなど、優勝を成し遂げた昨季の勝負強さを示せていないのは気がかりだ。
深刻なのは鳥取だ。1分2敗と5月は白星を挙げられず、10位に転落。序盤に稼いだ貯金を食いつぶしてしまっている。エースのレオナルドは好調を維持するものの、大量失点が目立つ不安定な守備を修正できないようだと、今後も苦戦は免れないだろう。
一方で復調してきたのは群馬だ。5月は1勝2分と無敗で乗り切り、9位に浮上。上位の背中が見えてきており、1年でのJ2復帰に向け、6月はさらなる反攻を狙う。
苦戦が続く富山は、5月9日に浮氣 哲郎監督との契約を解除し、安達 亮新監督が就任。初陣となった鳥取戦で初勝利を挙げ、巻き返しの体制を整えつつある。
16位の北九州は、5月に入っても浮上の兆しを見出せず、1分2敗と結果を出せなかった。最下位に沈む盛岡も状態は深刻で、5月は3連敗。ひとつの得点も挙げられず、失点も増加。苦しい戦いが続く中、目に見える結果を手にし、6月以降の巻き返しを実現したい。