第13節終了時で、首位を独走する広島は、ここまで11勝1分1敗で勝点34を得ている。これは、昨季広島がシーズンを通して獲得した勝点33をすでに上回る数字であり、低迷したチームの驚異のV字回復を物語っている。
無類の強さを示す今季の広島だが、2005年以降、13節終了時での勝点34は過去最高の成績となる。2005年の鹿島と2013年の大宮が32ポイントでこれに続いており、また2015年の浦和は13節終了時点で1試合消化試合が少ないながら30ポイントを稼いでおり、無敗で首位を独走していた。
J1第13節終了時1位チームのシーズン終了後の成績
もっともこれらの3チームは、序盤戦で圧倒的な強さを示しながらも、いずれも優勝を逃している。2005年の鹿島は勝点1差で惜しくもタイトルを手にできず、2015年の浦和は無敗のまま1stステージを制したものの、2ndステージでは4位に終わり、年間の勝点数でも広島に次いで2位。チャンピオンシップでは準決勝でG大阪に敗れ、結果的に年間順位では3位となっている。
最も失速したのは2013年の大宮で、13節終了時点では32ポイントだったが、その後の21試合で13ポイントしか上積みできなかった。序盤の貯金が活き、残留争いに巻き込まれることはなかったが、二度の8連敗を喫するなど、苦しい戦いを強いられた。
逆にそのまま優勝を果たしたのは2009年の鹿島と、2011年の柏の2チームのみ。スタートダッシュに成功したチームが、その後も安定した力を発揮し、逃げ切りを果たすのは決して容易ではないことが分かる。
一方で現在、広島と2位のFC東京との勝点差は8。過去のデータでは、8ポイント差を逆転して優勝したケースは4つしかない。その意味では、大量リードを得た広島が、そのまま優勝を果たす可能性も十分にあり得るだろう。
ちなみに4つのケースのうち二度はG大阪で、いずれも10ポイント以上の差を覆しての大逆転優勝だった。
データ協力:データスタジアム