明治安田生命J2リーグは今節で、区切りの第10節を迎える。岡山と大分が昇格争いを牽引する一方で、1年でのJ1復帰を目指す新潟、甲府、大宮の3チームは苦戦を強いられている。果たして今後の巻き返しはあるのか。その戦いに注目が集まる。
首位を走る岡山は、ホームで岐阜と対戦。前節は大宮と引き分け、足踏みを強いられた。堅守は保たれているだけに、複数得点を奪い取る積極性を示したいところだ。対する岐阜は3試合勝利がない。ここ2試合は引き分けと勝ち切れない戦いが続く。課題の守備が安定してきた一方で得点を奪えておらず、前線の奮起が求められるところだ。
2位の大分はアウェイで金沢と対戦。前節は横浜FCと引き分け、連勝は4でストップした。とはいえ安定した守備とリーグ最多の得点力を誇る攻撃に不安はなく、アウェイとはいえアグレッシブな戦いを披露するはずだ。金沢も前節、水戸に敗れ連勝がストップ。再び勢いに乗るためにもホームで勝点3を手にしたい。大分の攻撃に激しいプレスで対抗し、主導権を握りたいところだ。
町田vs山口は、4位と3位の上位対決となった。町田は前節千葉に競り負け、今季初黒星。山口も福岡に0-2と完敗を喫した。町田は2試合連続複数失点と、守備の改善がテーマに。山口は前節沈黙した攻撃陣の巻き返しが求められる。山口がボールを支配し、町田がカウンターで応戦する構図が予想されるが、いずれにせよさらなる浮上をかけた激しい一戦となることは間違いない。
唯一、無敗を維持する東京Vはホームに水戸を迎える。もっとも引き分けが6つと勝ち切れない戦いも目立っており、勝負強さを示せるかが浮上のためのポイントとなる。対する水戸は前節、金沢に競り勝ち6位に浮上。守備の安定感を示し始めており、大崩れはないだろう。互いに手堅さを備えたチーム同士の戦いだけに、1点を争う緊迫した一戦となりそうだ。
福岡vs千葉も興味深い戦いとなる。3戦負けなしと調子を上げてきた福岡は、3試合連続複数得点と、攻撃陣は好調を維持する。一方の千葉は前節、町田に競り勝ち、連敗を止めた。失点が目立つものの、自慢の攻撃陣が爆発。互いに得点力を示す中、激しい打ち合いが展開される可能性は高い。
8位の熊本はアウェイで京都と対戦。前節は決定打を欠き、東京Vと引き分けたが、今季初の無失点と守備陣が奮闘した。状態は悪くないだけに、再びギアを高めたいところ。京都は5試合勝利から見放され、21位に沈む。今節の結果次第では最下位に転落する可能性も秘めている。5試合で1得点の攻撃面を修正できないようだと、苦戦は免れないだろう。
昨季のJ1チーム同士の対戦となった新潟vs大宮は、今節の注目カードだ。お互いに調子が上がらないなか、1年でのJ1復帰に向けて好転のきっかけを掴むのは果たしてどちらのチームか。両チームともに守備に不安を抱えているだけに、点を奪われないためにも慎重な戦いとなる可能性もある。
愛媛はホームに甲府を迎える。20位と苦戦が続くも、前節は後半に追いつき、讃岐と引き分けた。価値ある同点弾を決めた神谷 優太のパフォーマンスが、今節もカギを握りそうだ。対する甲府は前節、松本に惜敗。調子が上がってきたかに思われた攻撃陣が再び沈黙し、上昇気流に乗れなかった。チャンスは作れているだけに、最後の精度を高めることが何よりも求められる。
横浜FCは勝ち切れない試合が目立つ。ここ4試合で3引き分け。先制しながらも逃げ切れない展開が多いだけに、リード時の戦い方に注意を払いたい。対戦相手の栃木は前節新潟に快勝を収め、勢いに乗る。堅い守りをベースとしたサッカーが機能しており、今節も粘り強く守り、少ないチャンスをものにする戦いで勝機を高めたい。
4戦負けなしと調子を上げてきた松本は、ホームに山形を迎える。前節は今季初の完封勝利で甲府を下し、守備の粘り強さも蘇りつつある。ここ5試合で3得点のセルジージョの出来も、勝敗を分かつ重要なポイントとなるだろう。一方の山形も2連勝と好調を維持する。2試合連続完封勝利と堅守が光り、今節もまずは守備からリズムを掴んでいきたい。
最下位に沈む讃岐は、徳島の本拠地に乗り込む。ここまでわずか1勝も、直近3試合はすべて引き分けと、悪い流れを徐々に断ち切りつつある。粘り強い守備を保ち、相手の隙を突くカウンターから得点機を窺いたい。徳島も4試合勝ちがなく、苦戦が続く。ボールを支配しながらも得点が奪えていない。山崎 凌吾ら前線の奮起が何より求められるところだ。
■各試合の見どころをチェック
東京Vvs水戸
京都vs熊本
愛媛vs甲府
岡山vs岐阜
新潟vs大宮
福岡vs千葉
横浜FCvs栃木
松本vs山形
金沢vs大分
徳島vs讃岐
町田vs山口