広島の強さが際立つ今季の明治安田生命J1リーグ。ここまで勝点22を稼ぎ、2位の仙台に7ポイント差を付けて、独走状態を築いている。果たして、その勢いはどこまで続くのだろうか。
その広島はホームに鳥栖を迎える。前節はパトリックの2ゴールで湘南に快勝。堅守に加え、ここ2試合で5得点と攻撃面の向上も見られる。今節も堅い守りを拠り所にしながら、前線のタレントを活かす戦いで勝機を見出したい。一方の鳥栖は3連敗と苦戦が続く。得点は奪えているものの、12失点を喫する守備に不安を抱えており、このポイントを改善できないようだと今節も苦戦は免れないだろう。
2位の仙台はホームで磐田と対戦。前節は川崎Fとスコアレスドローを演じたように、守備の安定性を備える。一方で攻撃もサイドを起点に良い形が作れているだけに、フィニッシュワークの質をいかに高められるかがポイントとなるだろう。一方の磐田は前節、鳥栖に勝利。こちらも質の高い守備組織が備わるだけに、リーグ最少得点に留まる攻撃陣の奮起が求められる。
G大阪とC大阪の大阪ダービーは、今節の注目カードとなる。最下位に沈む前者に対し、後者は4連勝で3位に浮上。対照的な状況に置かれるものの、同じ大阪のライバル対決なだけに、激しい戦いが繰り広げられるだろう。G大阪のクルピ監督にとっては、かつて率いたチームとの戦いに。柿谷 曜一朗ら多くの教え子を在籍するC大阪に対し、いかなる一手を打って出るのか。その采配にも注目が集まる。
浦和vs札幌は、ともに3連勝と勢いに乗るチーム同士の対戦となった。浦和は監督交代後に好転し、前節も清水に2-1と競り勝った。新監督にオズワルド オリヴェイラ氏の就任が決定したことで、大槻 毅暫定監督が指揮を執るのはこの試合が最後となる。チームに闘志を注ぎ込んだ指揮官のラストマッチを勝利で飾ることはできるのか。一方で札幌のペトロヴィッチ監督にとっては、昨季途中まで率いたチームとの戦いとなる。浦和の特徴を知り尽くす指揮官が、どのような戦いを挑んでくるのか。名将の手腕が勝敗を分かつ大きなポイントとなるだろう。
前節、連勝が4でストップしたFC東京は巻き返しの一戦となる。今節はアウェイで清水と対戦。C大阪相手に完封負けを喫した攻撃面の修正が求められてきそうだ。清水は5試合勝利から見放されている。この間わずか2得点と決定力不足を露呈しており、こちらも攻撃面にテコ入れを図りたいところ。ともに同じ課題を抱えているだけに、先に1点を奪ったほうが勝利に大きく近づくはずだ。
王者、川崎Fは4試合勝利がない。前節も決め手を欠き、仙台とスコアレスドロー。4試合で2得点と持ち前の攻撃サッカーを実現できていない状況にある。今節対戦する鹿島も得点力不足に苦しむが、前節は名古屋に2-0と快勝。金崎 夢生が調子を上げており、このエースのパフォーマンスがカギを握るだろう。ともに状態は良いとは言えないが、昨季、優勝を争った両雄の激突なだけに、質の高いサッカーが展開されるはずだ。
2連勝と調子を上げてきた長崎は、ホームに柏を迎える。前節はG大阪に3-0と快勝。攻守両面で相手を圧倒し、ホームで初白星を挙げた。今節は攻撃軸を担うファンマが出場停止と苦しい陣容を強いられるが、他の攻撃陣が奮起できるかが3連勝へのポイントとなる。対する柏は勝ち負けを繰り返し、なかなか勢いに乗れていない。前節も札幌に敗れ、良い流れを掴めなかった。毎試合のように失点を喫しているだけに、まずは守備の安定性を取り戻したいところだ。
横浜FMはホームで湘南と対戦。2連敗で16位に沈んでおり、状況は苦しい。ボールを保持する戦いは実現できているものの、得点の数は比例してこない。ここまで複数得点が一度もないだけに、2点目を奪い取るサッカーを展開したいところだ。湘南も2連敗と苦戦が続く。こちらも課題は得点力。同じテーマを抱えるチームが対戦する神奈川ダービーは、両チームのストライカーの出来が大きなカギを握るだろう。
5連敗と苦しむ名古屋はアウェイで神戸と対戦。失点の多さもさることながら、持ち前の攻撃力も示すことができず、結果に結びつく戦いを実現できていない。もっとも水曜日に行われたルヴァンカップでは無敗の広島に土を付けており、その良い流れをこの試合にも持ちこみたいところだ。一方の神戸は前節、横浜FMに逆転勝ち。今季より取り組むポゼッションスタイルが機能しており、豊富な攻撃のタレントも活かされるようになってきた。名古屋の攻撃スタイルに真っ向勝負で挑み、主導権を握る戦いを実現できるか。自信を深める一戦としたい。
■各試合の見どころをチェック
清水vsFC東京
仙台vs磐田
広島vs鳥栖
浦和vs札幌
川崎Fvs鹿島
横浜FMvs湘南
神戸vs名古屋
G大阪vsC大阪
長崎vs柏