岡山、大分、山口、町田。昨季は中位以下に留まったチームが、今季の明治安田生命J2リーグの主役となりつつある。彼らの躍進は果たしてどこまで続くだろうか。
首位を走る岡山は、大宮との大一番を迎える。前節は、同じ降格組の新潟に競り勝ち、再びギアを上げている。ここまでわずか2失点の堅守は、大宮にも通じるのか。そのパフォーマンスに注目が集まる。大宮は2連敗で18位に沈む。得点は奪えているものの失点も多く、なかなか勝点につなげられていない。1年でのJ1復帰を成し遂げるためにも、首位撃破を実現したいところだ。
大分はホームに横浜FCを迎える。前節は京都に1-0と勝利。2試合連続完封勝利と、安定した守備が光っている。一方の横浜FCは3戦勝利なしと状態が上がってこない。それでも前節は終了間際に追いついて福岡と引き分けた。その粘り強さを今節の戦いにもつなげたいところだ。
3位の山口はアウェイで福岡と対戦。リーグ最多得点を誇る攻撃力が、福岡の守備組織にどこまで通用するのか。得点ランクのトップに立つオナイウ 阿道のパフォーマンスがカギを握るだろう。福岡は前節、終了間際に追いつかれ、横浜FCと引き分けた。失点の多さが目に付くだけに、持ち前の守備組織を取り戻すことが浮上のポイントとなる。
町田はアウェイで千葉と激突。ここまで負けなしと安定した戦いを続けており、前節も終了間際のゴールで熊本と引き分けるなど粘り強さも示している。ハードワークを武器とした戦いで、無敗記録を伸ばせるか。千葉は2連敗で19位と苦しんでいる。圧倒的なボール支配率を誇りながら、ここ2試合で7失点と守備に大きな不安を覗かせている。アグレッシブな戦いを標榜する一方、いかにリスクマネジメントを図れるかが、苦境脱却のテーマとなるだろう。
6位に付ける熊本は、無敗の東京Vとの上位対決に挑む。渋谷 洋樹監督のもとで攻撃性を身に付けるなか、堅守を誇る東京Vとの一戦は、その力を推しはかる重要な戦いとなる。熊本地震から2年がたち、復興支援マッチとして行われるこの一戦。地元のファンとともに勝利を分かち合うためにも、最高のパフォーマンスを示したいところだ。
5戦負けなしで7位に浮上した金沢は、アウェイで水戸と対戦。ここ2試合で7得点と攻撃陣が好調を維持する。3試合連続ゴール中の垣田 裕暉が今節も爆発するか。若きストライカーの出来が、勝敗を分かつポイントとなるだろう。水戸は4試合勝利がなく、勢いが失われている。4試合でわずか2得点と決定力不足を露呈しており、攻撃陣の奮起が何より求められるだろう。
甲府はホームに松本を迎える。前節は先制しながらも逃げ切れず、水戸と引き分けた。守備の安定は保たれているだけに、追加点を奪い取る積極性を示したい。一方の松本も終了間際の失点で勝ち切れなかった。ここまで11失点とこちらは守備の課題を解消できていない。持ち前のハードワークと粘り強さを取り戻したいところだ。
山形はホームに京都を迎える。前節は愛媛に2-0と快勝を収め、今季2勝目を挙げた。ここ3試合でわずか1失点と守備の安定感を取り戻しており、その良い流れを今節にも持ち込みたいところ。京都は4試合勝利から見放されており、苦戦が続く。この間わずかに1得点と攻撃面に課題を抱える。得点源となっている小屋松 知哉がこの状況を打破するパフォーマンスを示せるか。このアタッカーの出来がポイントとなるだろう。
昨季までJ3の栃木は、昨季のJ1チームである新潟をホームに迎える。ここ2試合は勝利がないものの、福岡、徳島と強豪相手に善戦。十分に渡り合えているだけに、難敵、新潟にも臆することなく立ち向かっていくだろう。一方の新潟は2連敗。得点力不足が不調の原因となっているだけに、堅守を取り戻しつつある栃木の守備網をいかに打開できるかが、この試合の焦点となる。
岐阜と徳島はともに攻撃性を備えたチーム同士の戦いに。いずれもなかなか結果を手にできてはいないが、受け身ではなく能動的なスタイルは高いエンターテインメント性を備えている。どちらがボールを握ることができるのか。その主導権争いが大きなポイントとなるだろう。
讃岐vs愛媛は22位と21位の対戦に。讃岐はここ2試合でともに引き分けと、わずかに好転の兆しを見せている。一方の愛媛は前々節に首位の岡山を撃破するも、前節、山形に完敗と勢いをつなげられなかった。ともに苦戦が続くなか、悪い流れを断ち切るための勝利を手にするのはどちらのチームか。両者にとって重要な一戦となることは間違いない。
■各試合の見どころをチェック
甲府vs松本
福岡vs山口
大宮vs岡山
山形vs京都
熊本vs東京V
水戸vs金沢
栃木vs新潟
岐阜vs徳島
讃岐vs愛媛
大分vs横浜FC
千葉vs町田