2連勝を達成したのが3チームのみと、早くも混戦の予感を漂わせている明治安田生命Ｊ１リーグ。今節はウイークデーにＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）、ＪリーグＹＢＣルヴァンカップが開催されたため、いずれのチームも少ない休養の中で迎えることとなる。
Ｊ１復帰シーズンで2連勝と幸先の良いスタートを切った名古屋は、アウェイで同じ昇格チームの湘南と対戦する。前節は磐田相手に1-0と接戦をものにした。ガブリエル シャビエルら外国籍選手が好調を維持するなか、今節も彼らのパフォーマンスがカギを握りそうだ。湘南は川崎Ｆと引き分けたものの、ルーキーの松田 天馬にゴールが生まれるなど若い力が台頭している。昨季のＪ２では1勝1敗と互角の両者だったが、Ｊ１の舞台ではいかなる決着を見るのか。
同じく2連勝の広島は鹿島の本拠地に乗り込む。前節は浦和に逆転勝利を収め、メンバーを大幅に入れ替えたルヴァンカップではＧ大阪に大勝と勢いに乗る。堅い守りと素早い攻撃が機能しており、今節も相手の一瞬の隙を突く戦いに活路を見出すだろう。鹿島も前節はＧ大阪に勝利し、水曜日のＡＣＬでは敵地でシドニーＦＣに勝利した。長時間の移動を挟み、中2日で行われる今節は、疲労との戦いがポイントとなりそうだ。
仙台も2連勝と好調を維持する。今節はホームに神戸を迎える。2試合連続1-0のスコアで勝利と勝負強さを示す仙台は、前節、決勝ゴールを奪った石原 直樹のパフォーマンスに注目が集まる。一方の神戸は前節、清水に4失点の大敗。得点は奪えているだけに、守備組織の改善が求められている。ルヴァンカップで2得点を奪ったルーカス ポドルスキにリーグ戦初ゴールが生まれるかも、この試合の見どころとなる。
川崎ＦはホームにＧ大阪を迎える。前節は湘南に追いつかれてドロー。水曜日のＡＣＬでも終了間際の失点で、勝利を掴めなかった。王者らしからぬ戦いが続いているだけに、どのように修正してくるのか。鬼木達監督の手腕が問われるだろう。Ｇ大阪は開幕2連敗。ルヴァンカップでもほぼベストメンバーで臨みながら、広島に完敗を喫している。状態は決していいとは言えないなか、流れを変えるためにも目に見える結果を手にしたいところ。ルーキーの中村 敬斗ら若手の力が苦境脱却のカギを握りそうだ。
同じく2連敗の磐田はホームでFC東京と対戦する。前節は立ち上がりの失点を取り返せず、名古屋に惜敗。隙を見せている試合の入り方がポイントとなりそうだ。FC東京も1分1敗と勝利を掴めていない。守備の安定性は備わるだけにいかに得点を奪うのか。途中出場で好パフォーマンスを見せている久保建英にかかる期待は大きい。
横浜FMvs鳥栖も初勝利を目指す戦いとなる。横浜FMはハイプレス・ハイラインの新機軸でアグレッシブな戦いを示しているが、細かい部分での精度を欠き、結果には結びついていない。それでもルヴァンカップで勝利を収めただけに、その勢いをつなげたいところだ。鳥栖は2試合連続ドローと勝ち切れない。もっとも前節は2点を追い付いての引き分けだっただけに、流れは悪くないだろう。横浜FMのハイラインの裏を突く、スピーディな攻撃を展開することが勝利への近道となる。
前節、横浜FMを下した柏は火曜日のＡＣＬでも勝利を収め、徐々に調子を上げている。攻撃の軸を担う伊東 純也が結果を出したのも好材料で、このアタッカーを中心に相手を押し込むサッカーを実現したい。対するＣ大阪は2試合連続引き分けと勝利を掴めていない。前節は2点のリードを奪いながらも、後半に反撃を浴び、札幌相手に勝ち切れなかった。昨季の躍進の要因となった堅守にほころびが見られており、そこをいかに修正するかがポイントとなるだろう。
その札幌はホームに清水を迎える。Ｃ大阪戦で示したように、ペトロヴィッチ監督が求める攻撃スタイルは徐々に成果を生んでいる。三好 康児、チャナティップと攻撃陣が躍動するなか、エースのジェイにもそろそろ結果が欲しいところだ。清水は前節、神戸に4ゴールを奪っての快勝を収めた。素早い攻撃と堅い守りを備えており、低迷した昨季のチームから大きく変貌した姿を示している。今節も札幌の攻撃を凌ぎながら、北川 航也ら前線のタレントを生かす戦いを演じてきそうだ。
Ｊ１初勝利を狙う長崎は、ホームに浦和を迎える。前節は2点のリードを奪いながら、逃げ切れずに勝利を逃した。ルヴァンカップでも同様の展開で勝ち切れなかっただけに、とりわけ後半の試合運びに細心の注意を払いたい。一方の浦和も前節は逆転負け。攻撃面に課題を残すなか、2点目を奪い取る積極性を示し、今季初勝利を手にしたい。
■各試合の見どころをチェック
川崎ＦvsＧ大阪
横浜FMvs鳥栖
仙台vs神戸
長崎vs浦和
鹿島vs広島
柏vsＣ大阪
磐田vsFC東京
札幌vs清水
湘南vs名古屋
