2018年3月9日(金) 19:38
村井チェアマン「大きな事業機会と捉え、積極的にチャレンジし、Jリーグ全体の活性化にもつなげていきたい」【会見レポート:明治安田生命eJ.LEAGUE】
Jリーグは9日、eスポーツ大会『明治安田生命eJ.LEAGUE』の開催を発表しました。
eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で、対戦型のビデオゲームをスポーツとして捉え、近年、世界的な盛り上がりを見せている競技です。
同日に開催発表記者会見が行われ、Jリーグ村井満チェアマンが、開催の意義や目的などを語りました。
「世界ではeスポーツの市場が大きく変貌しています。2016年に世界のeスポーツ市場は550億円と言われていましたが、2020年には3倍以上の市場規模になるという試算があります。また2022年には中国・杭州のアジア競技大会で公式種目に決定していますし、2024年のパリ、2028年のロサンゼルス五輪の正式種目にも検討されています。そうした潮流があるなかで、我々もチャレンジしてみたいと開催を決めました」
『明治安田生命eJ.LEAGUE』はエレクトロニック・アーツ社のゲーム「EA SPORTS FIFA 18」のFUTモードを使用して行われる大会で、一般参加による予選ラウンドの勝者と、J1クラブ推薦選手によって決勝ラウンドが争われ、優勝者にはFIFAが主催する公式eスポーツ大会「FIFA eWorld Cup 2018」の世界予選「EA SPORTS™ FIFA 18 Global Series Playoffs」への参加権が与えられます。
すでにオランダやドイツなどのプロサッカーリーグが、eスポーツの公式リーグを開催するなど、世界のサッカー界でもeスポーツが普及していくなか、村井チェマンは「新たなお客さまに関心を持ってもらいたいというテーマを持っており、その一つの転機となればと思っています。大きな事業機会と捉え、積極的にチャレンジし、Jリーグ全体の活性化にもつなげていきたい」と同大会への期待感を述べました。
会見には世界でも活躍するプロeスポーツプレーヤーのマイキー選手も出席。eスポーツの現状や魅力について説明しました。
「日本でもeスポーツの大会が始まるということで、いい意味でびっくりしています。eスポーツは誰でも気軽に参加できるのが一番の魅力だと感じています。(今大会で使用される)FIFAシリーズは日本だけでなくアジアでまだまだ認知されてないので、今回Jリーグが大会を開催することで、競技人口が増えていけばと思います。ゆくゆくは日本人が世界一を獲るような未来があるんじゃないかなと期待しています」
またeスポーツとJリーグの関係性にも触れ、「僕自身、海外の選手の名前はサッカーゲームを通じて覚えました。ゲームをしながら、Jリーグの選手を覚えて、そこから興味を持って実際の試合を見に行くという流れもあるのかなと思っています」と話しました。
一方で村井チェアマンも「サッカーが好きな方がeスポーツを楽しめる要素は大きいと思っていますし、逆に小さい子どもがゲームからサッカーの魅力に取りつかれて、実際にボールを蹴ってみようという子が増えることを期待したい」と私見を述べています。
実際のスタジアムだけでなく、eスポーツの世界でもサッカーの魅力を伝えてく――。新たな試みとして行われる『明治安田生命eJ.LEAGUE』は、3月30日から、オンライン上で予選ラウンドがスタート。5月4日に日本サッカーミュージアムで決勝ラウンドが行われます。