長野で開催されているインターナショナルユースカップは、試合のなかった23日に、参加全チームのスタッフ陣が集まり、指導者交流会が行われました。
まず、松永 英機Jリーグアカデミーダイレクターが、ここまでの大会を総括するとともに、日本の育成環境や、国際経験の重要性について説明しました。
その後、各チームの代表者が、各国の育成事情や、それぞれのクラブの特徴、取り組みなどについて語り、参加者はメモを取りながら、熱心に耳を傾けていました。
およそ2時間半に及んだ交流会では、それぞれの育成に対する熱い想いが感じられました。終了後には「まだ話を聞きたいし、このような機会をもっと作って欲しい」という要望も出るなど、参加者にとって有意義な時間となりました。
各チームの代表者のコメントは以下の通り。
■シャペコエンセ
セザール アントニオ ダルピヴァ(育成ダイレクター)
「我々はアカデミーを持ってまだ7年目ですが、すでにプロ選手を輩出できています。私たちのクラブではサッカーだけでなく学業も大事にしており、ユースの選手は州立高校に通わせています。またコーチングスタッフにも、大学卒業を求めています」
■ヴォイヴォディナ
ドゥシュコ グルイッチ(アカデミーダイレクター)
「毎年選手を入れ替えることはせずに、基本的に長い目で育てています。東欧ではディナモ・ザグレブ(クロアチア)やパルチザン(セルビア)も育成には定評あります。選手をじっくり育てて価値を高め、他のクラブに買ってもらうことがクラブの方針です」
■オリンピック マルセイユ
カッスィーニ ジャンルック(アカデミーリーダー)
「クラブとして以前は良い選手を他チームから獲得していましたが、現在は育成に力をいれています。できるだけ早くトップに上げたいという考えがあり、すでにこの年代でも2人がプロとして活躍しています。日本のチームは非常に規律があり、そこは我々も吸収したいところ。一方でマルセイユの明るさやクリエイティビティな部分は、学んでいただければと思います」
■浦項スティーラーズ
ペク ギテ(監督)
「韓国サッカーは規律正しいのが特徴で、指導者の意見をしっかりと聞く選手も多いと思います。日本と韓国は隣の国ですが、スタイルはかなり違うと感じています。浦項のスタイルは決してあきらめないこと。戦術的にはパスをつないでゴールを目指すサッカーを求めています。また、良い個性を育てることも大事だと考えています」
■サンフレッチェ広島
沢田 謙太郎(監督)
「この大会は2回目の参加になりますが、このような国際大会に飢えているので非常に良い機会だと捉えています。このレベルでの戦いを続けていきたいですね。現在のトップチームにはユース出身の選手が少なくなっています。ユースでしっかりと選手を育てて、Jリーグだけでなく、アジア、そしてクラブワールドカップの舞台でも活躍させたい。その夢に近づくために、一生懸命努力したいと思っています」