琉球vsG大阪のマッチレポート・動画(JリーグYBCルヴァンカップ:2024年4月24日)
一覧へJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第2回戦 2024年4月24日(水)19:03KO タピック県総ひやごんスタジアム
琉球が歴史的勝利。導いたのは、古巣戦の白井陽斗
ともに直近の試合から中3日で迎えたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦。琉球は、20日の明治安田J3第3節・岩手戦から先発を3人変更。「スピード感、個の能力が全然違う相手に僕らはいつもの倍以上のパワーでいかないといけない」と話す藤春 廣輝、そして「古巣への感情も(あるが)、笛が鳴ってしまえば琉球のために勝ちたい」と語った白井 陽斗の元G大阪コンビがそろってスタメン入りし、ここ2試合公式戦で採用していた[4-4-2]から[3-4-2-1]へシステムを変えて臨んだ。
対するG大阪は試合前からダニエル ポヤトス監督が明言していたとおり、ターンオーバーを実施。大卒ルーキーの美藤 倫がこの試合で公式戦デビューを果たし、右膝軟骨損傷からの復帰戦となる江川 湧清が今季初出場するなど、直近のJ1第9節・浦和戦から計7名を入れ替え。公式戦2戦連続ゴールを決めている坂本 一彩はベンチスタートとなった。
前日から降り続く雨の影響もあり、蒸し暑さが残る中、19時にキックオフ。出だしは琉球がボールを握るも、相手陣へなかなか進入できず。それでも増谷 幸祐のロングフィードに白井が背後を狙う動きで突破口を切り開こうとする。対するG大阪は琉球の出方を探りながらサイド攻撃を繰り返し、相手の守備が開き気味になったところで、中央からディフェンスラインの背後を突くシーンを作った。ともにディフェンスラインが高く、ミドルサードでの攻防が続く。
20分を過ぎた頃、琉球はドリブルで右サイドへ流れた白井のクロスから、岩渕 良太がミドルシュート。決まらなかったが、この試合で初めて決定機を作り出す。G大阪も右からのサイドチェンジを機に一気に攻め込み、ボックス内で折り返すが、合わせられず。シュートまでには至らなかった。
前半終盤にかけてシュートは琉球の1本のみという状況だったが、43分、琉球が風向きを変える。アタッキングサードで白井とのワンツーを繰り出した富所 悠がミドルシュートを放つと、鮮やかにゴール右上へ突き刺さり、待望の先制点を挙げた。
追うG大阪は前半終了間際、食野 亮太郎がシュートチャンスを迎えるも、藤春のブロックに遭う。それでも、後半に入り迎えた49分、琉球を自陣にクギづけにして攻め込むと、こぼれ球を中央で拾った鈴木 徳真が鋭いグラウンダーのシュートを放つ。これがゴール右下に決まり、試合を振り出しに戻した。
60分過ぎ、琉球は岩渕のクロスを幸喜 祐心がダイレクトで狙うも、GK一森 純の好セーブに遭う。G大阪も唐山 翔自がGKパク ソンスと1対1の場面で右を狙ったが、ポスト直撃で好機を逸した。
その直後、琉球に再びチャンスが到来する。76分、ディフェンスラインの裏を狙い続けた白井がついに突破。一森との1対1を制し、古巣への恩返しゴールを決めてみせた。
G大阪は終盤にかけて前線を入れ替えて畳みかけるが、琉球はパク ソンスを中心にゴールにカギをかけ続け、アディショナルタイム6分を経過したところで試合終了。琉球が天皇杯を含め、J1チームを相手に歴史的初勝利を挙げた。
[ 文:仲本 兼進 ]