横浜FCvs湘南のマッチレポート・動画(明治安田生命J1リーグ:2023年11月25日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第33節 2023年11月25日(土)14:04KO ニッパツ三ツ沢球技場
- 49'大岩 一貴
決勝点はキャプテンの大岩一貴。湘南が残留争い直接対決を制す
最下位のホーム・横浜FC、勝点2差で17位のアウェイ・湘南。チケットは完売し、スタンドは鮮やかな青と黄緑に染められた。湘南は勝てば残留が確定。横浜FCは勝てば順位をひっくり返して、最終節を迎えることができる。残留争いの大一番の幕が切って落とされた。
「われわれはチャレンジャー。アクセルを踏んで勢いを出していきたい」と四方田 修平監督が語ったように、立ち上がりから積極的に前に出た横浜FCに対し、湘南はやや抑え気味に映ったが、最初にチャンスを作ったのは湘南。5分、相手を中央に引きつけてサイドからクロスを入れる得意の形を作るが、横浜FCも懸命にCKに逃れた。負けじと横浜FCも8分にチャンスを作る。相手陣右サイドで獲得した直接FKから、山根 永遠がゴール前にボールを送ると、マルセロ ヒアンが抜け出すが、シュートを打ち切れなかった。
互いにボールを保持するタイプのチームではないだけに、中盤でのボールの奪い合いや1つのミスがゴール前の場面に直結する、ジリジリとした攻防が続いた。その中でカウンターとセットプレーを中心に、より多くゴールに迫ったのは横浜FC。8分、ショートコーナーからカプリーニがミドルシュート。18分、前線からのプレスでボールを奪ってカプリーニがクロスを送る。35分、CKの流れからカプリーニが際どいクロスを入れる。45分にはカウンターからカプリーニが送ったクロスを、小川 慶治朗がフリーでボレーシュートに持ち込むが、うまくミートできなかった。
湘南も中盤でボールを奪うと、大橋 祐紀、阿部 浩之、平岡 大陽、池田 昌生の2トップ2シャドーがバイタルエリアでボールを引き出して、チャンスに持ち込もうとするが、ラストパスはことごとく横浜FC守備陣にカットされてシュートまで至らない。ただ、湘南にとって引き分けは最悪の結果ではない。勝負は後半に持ち込まれた。
後半開始早々の47分、横浜FCはカウンターからカプリーニがペナルティーエリア内でシュートを放つが、GKソン ボムグンがセーブ。すると49分だった。湘南はショートコーナーから池田がミドルシュート。GK永井 堅梧がはじくが、そこに詰めていたのは大岩 一貴。冷静にゴール右スミに流し込み、湘南が残留を引き寄せる先制点を奪った。
横浜FCは攻めるしかない。しかし、得点で勢いづいた湘南にむしろ押される展開。横浜FCは60分に伊藤 翔と近藤 友喜を投入するが、流れをなかなかつかめない。ホームのサポーターが待つゴール前までボールを運べず、奪われてカウンターで押し戻される時間が続いた。
なかなか良い形でシュートに持ち込めない横浜FCだが、強引にでもゴールに迫る姿勢を示し続けた。終盤にはンドカ ボニフェイスを前線に上げて、パワープレーに持ち込む。しかし猛攻はことごとくはね返され、0-1のままタイムアップ。同時刻に行われた柏対鳥栖が引き分けに終わり、横浜FCは17位に順位を落とした柏と勝点3差、得失点差で『12』の開きがある状況(横浜FCが-26、柏が-14)で最終節を迎えることとなった。
[ 文:芥川 和久 ]