川崎Fvs広島のマッチレポート・動画(明治安田生命J1リーグ:2022年9月10日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第29節 2022年9月10日(土)18:33KO 等々力陸上競技場
試合終了
41前半0
3後半0
12SH5
2CK4
18FK11
0
激しい守備を凌駕した川崎Fの連係。3連覇に向け一歩前進
公式戦8連勝中の2位・広島と3位につける川崎F。等々力陸上競技場で戦う優勝争いの中の大一番だ。
天皇杯準々決勝・C大阪戦から中2日の広島だったが、大幅にメンバーを入れ替えたこともあってか立ち上がりからアグレッシブな攻守を披露。運動量豊富、球際に激しく川崎Fに襲いかかった。それに受けて立つ形で、川崎Fも臆せずにボールを回そうとする。それでも、マンツーマン気味のタイトな広島の守備の前に、ボールをロストする回数も多い。川崎F陣内にボールがある時間は増えた。
15分頃からは川崎Fが主導権を奪い返す。家長 昭博が絶妙なタメを作って味方を押し上げ、全体も良い距離感を保ってテンポよくボールを前進させた。さらに好調のマルシーニョが特長のスピードで左サイドを突破。19分には知念 慶が体を張ってキープした流れで家長が右足でシュートを放っている。
対して広島も24分、セットプレーから絶好調男・川村 拓夢が左足で狙ったが、これはGKチョン ソンリョンが間一髪の反応で防いだ。
一進一退の攻防が続いた中で、34分。見事な連係から左サイド深くまで進入した佐々木 旭からのグラウンダークロスを受けた家長が、右スミに決めて川崎Fが先制を果たした。直後の36分にも脇坂 泰斗のスルーパスからマルシーニョがGKと1対1の場面を作ったが、これは広島GK大迫 敬介が勇気を持って飛び出して止めた。
その後も川崎Fが押し気味に進めたが、日本代表・佐々木 翔らが対人守備でさすがの対応を見せるなど、そこからスコアは動かず。
1-0で迎えた後半、満田 誠と森島 司を投入して挽回を図ったのは広島。森島が広い視野を生かしたパスや、満田の推進力で攻め込もうとする。そして、球際の争いはさらに激しくなった。局面でバチバチと音の鳴るようなバトルが増えた試合は、より熱を帯びていく。
58分、素晴らしいトラップから脇坂がマルシーニョにスルーパス。マルシーニョが中に入れると、ファーに待ち構えていたのは家長。しかし右足のシュートはGKに止められた。
それでも59分、パスの連係から人をかけてペナルティーエリアに入っていった川崎Fは、脇坂がターンから右足で決めて、貴重な追加点を奪った。
広島の激しい守備を凌駕するほど、川崎Fの勢いは止まらない。68分、流麗な連係から脇坂がエリア内で得たPKを、知念が右スミに決めて3-0とした。
さらに78分、左サイドの佐々木 旭がえぐり、マルシーニョがエリア内で受けて巻いた右足のシュートを放つ。これは大迫がセーブしたが、こぼれ球を家長が蹴り込んで4点差に。ボールを回されたことで広島のプレス強度が徐々に落ちたことも一因か。スペースが生まれた中で、川崎Fがスコアを広げていく。
終了間際、野津田 岳人に強烈なポスト直撃弾を受けたくらいで、ほかは危なげなく試合を進めた川崎F。上位対決は思わぬ大差がつく試合になった。これで川崎Fは順位の上でも広島を上回り、3連覇に向けた道を一歩前に進んだ。広島としては、優勝争いのライバルである横浜FMや川崎Fに比べて残り試合数が少ないだけに、厳しい敗戦となった。
[ 文:田中 直希 ]