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浦和vs札幌の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2020年12月19日)

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最終節、浦和がホームで示したい意地と責任

明治安田J1第21節から5戦負けなしと、ようやく積み上げが実を結んだかに見えた10月。しかしながら、11月に入ると下降線を描き、大槻 毅監督の退任が発表される1週間前の第31節・神戸戦が最後の勝利。現在は4戦勝ちなしと、ここにきて今季最長の未勝利となっている。

苦しい時期を経て、ようやく芽が出たかに見えた時期もありながら再びの失速。第30節・鹿島戦の大敗から中12日で臨んだ前々節・湘南戦は0-0の引き分けに終わり、随所に見どころがありながらも、どこか熱の薄い淡泊な試合に映った。

さらに前節・川崎F戦は1-3。ホームでの0-3の敗戦から点差こそ縮まったものの、前回対戦から浦和の成長を示せたかというと、後退した感もあった。大槻監督退任の影響がないと言えばウソになるだろうが、試合がやってくる以上はそれを言い訳にもできない。

ここにきて負傷者も増えてきており、今季主力として稼働した選手では槙野 智章らが最終節に間に合うかは微妙な状況。レオナルド、トーマス デンも加療のために帰国しており、紅白戦を組むのも大変な状態だが、川崎F戦で初スタメンを飾った武田 英寿の台頭、柴戸 海や阿部 勇樹の復帰など明るい材料もなくはない。

対する札幌も序盤は6位まで上昇したものの、以降はずっと2ケタ順位の低空飛行。しかしながら、大量失点を繰り返していた時期から比べると終盤戦は安定感を増しており、第20節以降は連勝も一度しかないが、逆に連敗も喫していない。ホーム最終戦では1-3と敗れているだけに、アウェイとはいえ勝って締めくくりたい。

直近の第32節・大分戦は引き分けに終わったものの、札幌は8日から千葉県内でミニキャンプを張っており、「この時期にキャンプをやるというのはすごく不思議な感覚。ただ、すごく良い環境でトレーニングをさせてもらっている」(宮澤 裕樹)と士気も高い。浦和との前回対戦は、一度は勝ち越しながらも逆転負けを喫しており、ダブルはなんとしても回避したいところだろう。

逆に浦和としては、今季ダブルを達成したのは仙台のみ。再建計画を進めるためにもペトロヴィッチ監督から再度勝利を奪い、時計の針を前に進めたい。順位や置かれた状況から目標を見いだしづらい状況ではあるが、埼玉スタジアム2002で試合があるというだけで戦う理由としては十分だろう。

「どんな形であれ勝点3を取って勝利して終わりたい」と大槻監督が語ったように、最後に浦和の意地と責任を示したい。

[ 文:沖永 雄一郎 ]





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