大分vsC大阪の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2020年11月25日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第29節 2020年11月25日(水)19:03KO 昭和電工ドーム大分
試合終了
00前半1
0後半0
8SH6
4CK2
4FK12
1
- 10'清武 弘嗣
片野坂監督はロティーナ監督のチームに勝ちなし。今節はリベンジを誓う一戦
前節の大分は、その試合に勝てば史上最速で自力優勝が決定する川崎Fをホームに迎え、下馬評を覆す勝利を収めた。片野坂 知宏監督自身も「大金星で、サプライズ」と表現する結果となったが、首位を独走してきた川崎Fのストロングポイントを抑え、その背後を突いた戦法は鮮やかだった。
前節まで中17日という準備期間も奏功したと思われる。前々節の柏戦が新型コロナウイルス禍の影響で急きょ12月9日に延期された大分は、第26節・横浜FC戦から予期せぬ試合間隔が空くことになった。連戦による心身の疲労を回復しつつ、対相手戦術の準備をじっくりと進められたことで、ホームで他チームが優勝する屈辱を阻むこともできた。
その準備期間には、次節までの3連戦への対策も落とし込まれたはずだ。今節はC大阪、次節は名古屋と上位チームとの対戦が続くが、それを終えて1週間後にスタートするシーズンラストの怒とうの5連戦は、中2日での試合が連続する未曾有の過密日程。そこに向けて勢いをつけるためにも、この3連戦は重要な意味を持つことになった。
今節はホーム連戦だが、激しかった川崎F戦でのダメージから、戦力を入れ替えて臨む可能性が高い。前節は契約の関係で出場できなかった知念 慶がフレッシュな状態であるとともに、三平 和司や松本 怜ら、前節メンバー外だった選手が絡んでくると予想される。長らくコンディション不良だった小林 裕紀も前節、途中出場で実戦復帰しており、一時は手薄だったボランチの選手層も回復している。
一方のC大阪は6連勝していた頃の勢いを失い、現在4戦未勝利で2連敗中と、やや気がかりな状態だ。前々節は押し込んだ時間帯に得点できず清水に1-3、前節は退場者を出して守備を固める広島をこじ開けられず0-1と連敗している。速いプレッシングに苦しみ、決定機を築いてもそれを仕留め切れずカウンターで失点するケースが目立つが、逆に第23節では横浜FMに4-1と圧勝しており、ポゼッションスタイルを標ぼうするチームに対しては、ロティーナ監督の仕込んだ緻密なポジショニングによる堅守がしたたかに機能することがうかがわれる。
片野坂監督は、ロティーナ監督が東京Vを率いていた2017年以来、リーグ戦でロティーナ監督のチームに勝利したことがなく、個人的にも打倒を誓っている模様だ。今季の開幕戦でも大分は0-1でC大阪に敗れており、リーグ戦では八度目となる知将対決の行方も注目される。
また、大分のサポーターにとっては、地元出身の天才MF清武 弘嗣の“帰還”も楽しみな一戦。今季好調を維持する清武のプレーを存分に堪能したい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]