清水vs名古屋の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2020年7月4日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第2節 2020年7月4日(土)18:03KO IAIスタジアム日本平
試合終了
11前半2
0後半0
8SH11
9CK4
6FK17
2
勝ちたい理由。清水は28回目の誕生日を白星で飾れるか
・清水は直近の4試合で名古屋に全勝。相性の良さは今回も続くか
・清水は開幕戦に敗れたが、明るい未来を予感させた。中断期間では攻撃サッカーを熟成させてきた
・新型コロナウイルスの陽性判定やジョーの契約解除が発表された名古屋。逆境を乗り越えられるか
ともにオリジナル10の清水が2016年に、名古屋が17年に初めてJ2で戦い、J1の舞台にそろった18年からリーグ戦で対戦すること4回。そのすべてで清水が勝利している。
「直近の4試合は全勝している。自分たちがボールを保持して、ポゼッション率を高めて、グループとして点を取ること。個人的には、そのグループだけではなく、個人の力で打開してゴールを狙いたい」(金子 翔太)
「名古屋は、自分の感覚では相性が良い。サポーターの方々もひさびさの公式戦の緊張感があると思うが、家で『テセキムチ』を食べながら観戦してくれたら(笑)。選手たちも無観客で寂しいところはあると思うが、みんなの思いを感じ取って頑張りたい」(鄭 大世)と清水の選手たちにとっては、再開戦は相性の良い相手となった。
ピーター クラモフスキー監督のJ1リーグ戦初陣となったFC東京戦。後半開始早々の47分にティーラシン デーンダーの清水での初ゴールで先制するも、FC東京が誇るブラジル国籍トリオ・ディエゴ オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロにそれぞれゴールを決められ、終わってみれば1-3の逆転負け。清水の明るい未来を予感させる内容を見せることはできたが、現実的なサッカーに敗れてしまった。清水としては、この中断期間で熟成させてきた、今までと180度違う攻撃サッカーで圧倒したいところだ。
一方の名古屋は、開幕戦で仙台と対戦。先制したのは仙台。18分、赤﨑 秀平の左からのクロスにFKの流れで前線に残っていたシマオ マテが頭で合わせ、こぼれ球を自ら左足で押し込んだ。追いかける名古屋は前半のうちに追いつく。34分、右サイドで前田 直輝が素晴らしい突破を見せ、ゴールラインギリギリの位置でマイナスのボール。マテウスがスルーし、阿部 浩之の加入後初ゴールとなるシュートが決まった。後半に入っても阿部を中心にチャンスを作り続けた名古屋だが、逆転には及ばず1-1の引き分け。勝点1を獲得している。
このコロナ禍で名古屋は大揺れだった。5月30日に6月1日から全体練習を再開することが発表されたが、2日に新加入の金崎 夢生が新型コロナウイルスの陽性判定となり、さらに同僚のランゲラックも陽性判定を受けた。全体練習は13日に再開するまで、再び中断を余儀なくされてしまう。22日にランゲラックが、30日に金崎が完全合流となったが、チームとしてコンディション調整は万全とは言えないだろう。さらに元ブラジル代表FWジョーとの契約解除も発表されている。この逆境を乗り越える糧となるのは、今季初勝利に違いない。
清水にとっても負けられない理由がある。1992年の7月4日、清水は初の対外試合として長居競技場でG大阪と対戦し、クラブはこの日を『清水の誕生日』と定めた。つまり、この試合は清水の28回目のバースデーということになる。その記念日がリモートマッチとして無観客となることにサポーターとしては寂しさもあるだろうが、せめて画面越しに勝利を見届けたいに違いない。
[ 文:田中 芳樹 ]