横浜FMvsG大阪の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2019年8月31日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第25節 2019年8月31日(土)19:03KO ニッパツ三ツ沢球技場
試合終了
31前半0
2後半1
12SH9
5CK6
22FK8
1
-
39'ティーラトン
53'マルコス ジュニオール
78'遠藤 渓太 - 67'小野瀬 康介
横浜FMは知っている、大勝後の難しさを
・横浜FMは前節、大差をつけて4試合ぶりに勝利。上位勢が軒並みドローとなる中、この結果は大きい
・昨季は大勝後に大敗。その経験を生かし、成長していることを示せるか
・G大阪の後半戦を左右するのが復帰組の出来。指揮官は前節・鹿島戦で井手口陽介に好感触を得ている
横浜FMは3連敗の最中で迎えた前節の名古屋戦を5-1で制し、4試合ぶりの勝利を収めた。連敗中は相手に与えることが多かった立ち上がりの点を自分たちが得られたこと、2-0の状況でPKを得るとともに相手が退場したことは試合の流れに大きく作用したはずだが、攻撃的なチーム同士の戦いを大勝という形で制することができた。加えて横浜FMを除いた上位5チームは軒並みドロー。3位に浮上するとともに首位や2位との差を詰められたことは、優勝を目指す横浜FMにとって光となる結果だった。
ただ、4試合ぶりの勝利によって「チームの雰囲気はおのずと良くなる」(遠藤 渓太)ことは確かだが、油断はできない。大勝のあとの試合は難しいというのはサッカー界の常識だが、横浜FMは昨季、それを身をもって体験している。
第16節の仙台戦。W杯開催に伴い中断していた明治安田J1の再開戦で横浜FMはクラブ史上最多タイとなる8得点を奪って勝利した。当時、13位と下位に沈んでいた横浜FMにとって、この勝利が後半戦の巻き返しのきっかけになると期待されたが、続くFC東京戦は2-5で敗戦。この5失点はクラブ史上最多タイの失点数となった。
その経験があるからこそ「大勝したあとの試合は大事になると思うし、浮き足立って難しくなると思う」(遠藤)ということを知っている。そして今季はここまで、昨季からの成長を遂げて上位争いをしているが、「そういった経験というか悔しさを糧にしているし、そこから成長している」(仲川 輝人)姿をあらためて見せたい。
G大阪は6戦無敗を続けているものの、5戦連続引き分け。残留争いという視点で見れば勝点を拾い続けていることはプラスだが、特に第21戦の神戸戦、第22節の広島戦、第23節の磐田戦と終盤に追いつかれた3試合は勝ち切れない悔しさもあっただろう。ただ、同じ引き分けでも前節の鹿島戦は追いついての勝点1。しかも上位争いをしている相手に敵地で勝点を拾えたことはポジティブに捉えられるだろう。
鹿島戦では復帰後5試合目の先発出場となった宇佐美 貴史や3試合目の先発出場となったパトリックらに続き、井手口 陽介が2試合の途中出場を経て先発出場。彼ら新戦力、もとい復帰組の出来が後半戦の結果を左右するだろうが、「井手口の存在感が(鹿島戦の)後半で増していったことはポジティブ」と宮本 恒靖監督も話す。新加入選手を含めてどうチームを構成していくかはまだ途中段階だろうが、できるだけ早く見いだしつつ、この試合で6試合ぶりの勝利を手にしたい。
ラグビーW杯の開催に伴い、横浜FMはこの試合から11月上旬までの4試合のホームゲームをニッパツ三ツ沢球技場で戦う。満員のニッパツでシーズン終盤に向けた攻勢のきっかけを作りたい。それはもちろん、横浜FMのみならずG大阪にとっても同じことだ。
[ 文:菊地 正典 ]