広島vs清水の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2018年5月2日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第12節 2018年5月2日(水)19:33KO エディオンスタジアム広島
試合終了
21前半0
1後半0
9SH14
4CK8
12FK11
0
ポイントは中盤の攻防。ヤン・ヨンソン率いる清水が首位・広島に挑戦
広島も清水も前節に重要な勝利を挙げている。
前々節のFC東京戦で今季初黒星を喫した広島は、連敗阻止のため必勝態勢で前節・長崎戦に臨み、2-0で勝利した。前半を0-0で終えたが焦れることなくボールを動かして、相手を揺さぶった攻撃が長崎の選手たちの足を止め、後半から出場したティーラシンが先制点を奪取すると、CKから佐々木 翔が加点。守備陣はスキを見せることなく90分間を過ごし、4連勝と勢いに乗っていた長崎の良さを出させず、勝利をしっかりと手繰り寄せた。
清水は前節、昨季から実に13試合ぶりとなるホームゲームでの勝利を奪い、IAIスタジアム日本平で歓喜に酔いしれた。CKから鄭 大世の今季初ゴールで38分に先制すると、40分にクリスティアーノにゴールを奪われて柏に追いつかれたが、その1分後に北川 航也が勝ち越し点を奪う。短時間で二転三転した中でリードして後半を迎えた清水は、全員がハードワークして1点のリードを守り抜いてみせた。
お互いに今季のターニングポイントの一つになるだろう重要な勝利を収めて、今節を迎える。連戦が続く中で間違いなく選手たちへの疲労は蓄積してきているだろうが、勝利したことが何よりも大きなエネルギーを与えてくれるはず。好勝負が期待できそうだ。
ポイントは中盤の攻防か。広島の中盤は青山 敏弘と稲垣 祥のコンビが豊富な運動量を維持してタイトに戦いながら、前節はパスをつないで攻撃を組み立て、緩急をつけてゴールへ迫っていく巧みなゲーム運びを見せている。一方で清水の中盤を支える竹内 涼と河井 陽介は不動のコンビとして今季のチームを支え、指揮官の期待に応えるパフォーマンスを見せている。
連戦の中では、特に落ち着いてゲームを運ぶ時間帯を増やしていきたいところ。ピッチ中央の選手たちのパフォーマンスは極めて重要だ。セカンドボールやルーズボールの争いも含めて、激しく火花を散らすホットスポットとなることは間違いない。広島の活力源である柏 好文と清水の得点源である金子 翔太のサイドの攻防も楽しみだ。広島は城福 浩監督が試合途中に吉野 恭平を入れて中盤のパワーアップを図ることが多い。90分を通して中盤の争いには注目していきたいところだ。
また、昨季に広島をJ2降格の危機から救ったヤン ヨンソン監督がエディオンスタジアム広島に戻ってくることも今節の楽しみの一つ。
昨年7月に降格圏に沈む広島の監督に就任したスウェーデン国籍指揮官は、第18節を終えて勝点11しか得ていなかったチームを立て直し、残りの16試合で勝点22を獲得して広島を見事にJ1残留へと導いた。苦境に立ち向かう情熱とフラットな目線でチームを指揮したヤン ヨンソン監督の手腕に、広島は窮地を救ってもらった恩義がある。
そのヤン ヨンソン監督が率いる清水と、城福 浩監督に率いられて首位を突っ走っている広島が相対する。両指揮官の采配にも注目していきたい。
[ 文:寺田 弘幸 ]