名古屋vs清水の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2018年4月25日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第10節 2018年4月25日(水)19:03KO パロマ瑞穂スタジアム
試合終了
10前半1
1後半2
11SH6
4CK2
14FK13
3
6連敗で最下位転落。名古屋の課題は「集中力」
春の超大型連戦も折り返しの8戦目となる明治安田J1第10節。21年ぶりの6連敗で最下位まで順位を落とした名古屋は、同じく6戦未勝利で13位と苦しむ清水をホーム・パロマ瑞穂スタジアムに迎え撃つ。
名古屋はまさに泥沼だ。開幕2連勝の勢いは影を潜め、攻撃を最大の売りにするチームが得点を挙げることに苦しんでいる。総得点は18チーム中15位タイ。なかなか自分たちの形を作れない。その間にもともと不安のあった守備陣は失点を重ね、こちらはリーグワースト。前節・神戸戦ではポゼッション率も相手に上回られ、良いところがなく0-3と完敗を喫した。
風間 八宏監督が課題と考えているのは「集中力」だ。前節は立ち上がりのファーストプレーでミスが出て、20分近く何もできなかった。点から点へ合わせるサッカーをする名古屋にとって、選手間のイメージの共有は必須条件であり、途切れるとすぐに相手に大きなチャンスを与えてしまう。味方の動きの見極め、ミスがあってもすぐに切り替えられる集中力が大きなポイントだ。
もう一つ、超過密日程によるコンディションの影響もあると風間監督は考えているようだ。日曜日の練習は急きょオフにし、選手たちの疲れをとることを最優先した。ガブリエル シャビエルを筆頭に、ケガから戻ってコンディションが上がっていない選手も多い。「これが彼らの力とは思っていない」と風間監督。ケガを再発させないように留意しながら、試合に使ってコンディションを整えるという、少々面倒な采配が必要となる。
一方の清水は6戦未勝利ながら、前節のFC東京戦はほぼ試合の主導権を握る展開となり、手ごたえを感じて名古屋に乗り込めそうだ。後半に先制され追いかける形となったが、最後まで攻撃の手を緩めず、決定機の数では相手を上回った。特に前半の大きな決定機で決めていれば、違った結果もあり得た。ヤン ヨンソン監督も「特に前半の45分のプレーは良かったと感じている。その内容を90分間見せることが大切」だと課題を語る。
決定力が上向けば、上位進出も狙える両チーム。名古屋でポイントになるのはやはりFWのジョーだろう。元ブラジル代表も独特なスタイルの名古屋では、コンビネーションに苦心している。高さを生かしたプレーを好むが、チームは足元へのパスが多い。もちろん技術が高くその対応もできてはいるが、まだ意思疎通が十分ではなく、最後のところで合わせられないことが多い。このリズムを合わせることができれば、クロスやロングボールも有効に使え、さらに得点を重ねることができるだろう。
清水のキーマンはここまで4ゴールの金子 翔太。瞬間的なスピードに定評があり、背後が苦手の名古屋DFにとっては厄介な相手だ。前節は決定機で仕留められず悔しい思いをしており、今節に懸ける思いも強い。
少しでも早く苦境から抜け出したい両チーム。歓喜の声を上げるのは、果たしてどちらのチームになるだろうか。
[ 文:斎藤 孝一 ]