鹿島vs広島の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2017年10月14日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第29節 2017年10月14日(土)15:03KO 県立カシマサッカースタジアム
試合終了
21前半0
1後半0
15SH12
8CK6
22FK20
0
カギを握る両ブラジル国籍選手。決定的な仕事を見せるのは?
2週間のインターバルを経て、リーグ戦が再開する。全34節で年間王者を決める戦いも、あと6試合と終盤戦に入った。1試合で得られる勝点にこれまでとの差はないが、残り試合数が少なくなればなるほど、得られる勝点の最大値も減ってくる。必然的に1試合ごとの重みも変わってくる。
現在、勝点61で首位に立つ鹿島にとっては仕切り直しの一戦だ。前節は鳥栖に完敗。スコアこそ0-1と最少得点差の結果だったが、前半から数多くのチャンスを作られてしまった。相手の決定力不足に助けられた面も大きかっただけに、持ち味である堅実な守備を取り戻したい。
その鹿島に挑むのは15位の広島だ。しばらくJ2降格圏に沈んでいたが、9月は天皇杯こそ横浜FMに敗れたものの、リーグ戦ではJ1残留を争う新潟に引き分けたあと、上位のC大阪を1-0で撃破。その後も清水から勝利を奪い残留争いに引き込むと、一つ順位が上の札幌に引き分けて混戦から抜け出されるのを阻止した。
16位の甲府とは勝点27で並ぶものの、14位の札幌とは1差、13位の清水とは2差と。一つの勝利で順位が入れ替わる大混戦に持ち込んだ。9月で生まれた勢いそのままに、首位・鹿島に立ち向かいたいところ。
試合に大きな影響を与えそうなのが鹿島のスターティングメンバーだ。なぜなら、エースストライカーの金崎 夢生が出場停止。累積警告によりピッチに立つことができない。代わりに先発が予想されるのがペドロ ジュニオールだ。大岩 剛監督が就任してから数々のゴラッソを決めてきたストライカーは、7月下旬に左第5中足骨骨折で戦列を離れていた。その後、約2ヵ月で練習に復帰したが、試合をこなしたのは途中出場だった前節の鳥栖戦のみ。そのパフォーマンスはゴールを量産していたときのキレはなく、ほとんどボールを触ることができなかった。この2週間の間で練習試合をこなしヘディングシュートを決めるなど、状態が上がっていることは間違いないが、もし先発となれば彼の出来が鹿島の試合内容を大きく左右するだろう。
広島もこのところゴールに絡む決定的な仕事をしているのはブラジル国籍選手たちだ。9月は粘り強く戦いながらパトリック、アンデルソン ロペス、フェリペ シウバといった面々の得点で勝点を得てきた。それは今節も変わらないだろう。彼らの活躍があるかどうかで、貴重な勝点を得られるか否かが変わってくるはずだ。
前回、エディオンスタジアム広島で対戦したときは、鹿島が監督人事で大なたを振るい、大岩監督にとっては就任後初の試合だった。中村 充孝のゴールで口火を切るとレアンドロが2点を加点し、前半だけで3点のリードを奪う快勝で鮮烈な印象を残した。レアンドロはここからチームの中心を担うようになり、鹿島は13勝1分2敗という圧倒的な数字を残す。全ては広島との試合から始まっただけに、レアンドロの印象も悪くないだろう。
そうした意味で、試合を動かすカギを握るのは両チームのブラジル国籍選手になりそうだ。
[ 文:田中 滋 ]