川崎Fvs鹿島のマッチレポート・動画(Jリーグチャンピオンシップ:2016年11月23日)
一覧へJリーグチャンピオンシップ 準決勝 2016年11月23日(水)14:00KO 等々力陸上競技場
試合終了
00前半0
0後半1
11SH10
4CK5
21FK9
1
- 50'金崎 夢生
鹿島、7年ぶりのリーグタイトルへ。得意の一発勝負を制して決勝進出
クラブ史上初のJ1タイトルを手に入れたい川崎Fと、リーグ史上最多の18冠目の獲得に向けて年間勝点3位からの「逆転優勝」を狙う鹿島が相まみえた明治安田チャンピオンシップ準決勝は、堅い展開の序盤となった。
レギュレーション上、引き分けでも勝ち上がり可能な川崎Fは、鹿島のプレッシングをうまくいなすも、敵陣に攻め込む回数をなかなか増やせない。3分に三好 康児の大きなサイドチェンジを長谷川 竜也が右サイドで受け、絶妙なクロスをファーサイドに送り、それを大久保 嘉人がボレーシュートで合わせるも枠はとらえられず、という惜しいシーンがあったものの、それ以降は効果的な攻撃ができなかった。
逆に、守備からリズムをつかんだ鹿島は、ショートカウンターやミドルシュートを織り交ぜて川崎F陣内に攻め込む。しかし、ゴールを割ることはできない。前半はネットが揺れることがなかった。
そんな中、後半に入って先手を取ったのは、勝ち上がるために絶対にゴールが必要な鹿島だった。50分、山本 脩斗のクロスをニアで金崎 夢生が頭で合わせると、これがチョン ソンリョンの手をかすめてゴールへ吸い込まれる。欲しかった先制点に鹿島陣営は大いに沸いた。
しかし、その後は川崎Fのワンサイドゲームに。59分、中村 憲剛が三好のパスをペナルティエリア内で受け、DFを1枚かわして右足でシュートを放つ。これは惜しくもサイドネットに外れたが、ここから川崎Fがさらに攻勢を強める。4分後の63分には左サイドからの中村のFKをニアでエウシーニョがおとりの役割になるとこれは曽ヶ端 準が外にかき出し、67分にはペナルティエリア内から大久保が落としたボールを受けた中村がシュートを放つも、またもやサイドネット。その直前に登里 享平がピッチに立つと、左サイドからの攻撃が活性化されチャンスの幅も広がった。しかし、必死に守る鹿島守備陣を上回ることができぬまま、アディショナルタイムへと突入。
DFのエドゥアルドを最前線に上げて、ロングボール主体の攻撃に移ったが、これに対し鹿島は途中出場の植田 直通が応戦。得意の競り合いで強さを見せ、チャンスを与えない。そんな中で迎えた最大のチャンスは終了間際の95分。エウシーニョの右からのクロスを中央でフリーの谷口 彰悟が合わせるも、枠はとらえられなかった。そして、次のプレーで試合終了のホイッスルが吹かれる。猛攻を仕掛けた川崎Fは1点が遠く、悲願のリーグタイトルを逃す形となった。
「入らない時は入らないなというゲームだった」と風間 八宏監督は振り返ったが、リーグ最多得点の攻撃陣が皮肉にもこの重要な一戦でゴールを奪えず。悔しい敗戦となった。一方、「どういう内容であれ、1点上回れば勝てる」(石井 正忠監督)という、結果にこだわる姿勢と、それを体現した鹿島には「らしさ」があった。
リーグ戦の終盤は覇気がなかったものの、得意の一発勝負を制したことはチームに勢いと自信をもたらすだろう。7年ぶりのリーグタイトルへ、常勝軍団が浦和への挑戦権を手にした。
[ 文:竹中 玲央奈 ]