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[ 2014年 今年の漢字:C大阪 ]
クラブ創設20周年記念シーズンとして臨んだ今季、悲願の初タイトルを狙った中で、その末路は期待に大きく反するJ2降格だった。
柿谷曜一朗、山口蛍のFIFAワールドカップ・ブラジル大会の日本代表コンビをはじめ、昨季のJ1で4位、AFCチャンピオンズリーグ出場権も獲得した伸び盛りのチームに、フォルランというビッグネームが加われば、「史上最攻〜時は、きた」と銘打つくらい、頂点へ突っ走ることができると浮かれすぎた。『傲り』があった。開幕前から大きな注目を浴びながら、目先にとらわれたクラブのマネジメントは、すべてにおいて準備不足を露呈し、C大阪ブームを定着させられず。現場とフロントは一体となれなかった。
タイトな日程にも関わらず『少数精鋭』を打ち出したこと、前年までの継続性を放棄したこと、1シーズン中で2度の監督交代がその象徴的な出来事。試合を重ねる中、その戦術もぶれていき、現場も一体感を欠いた。期待のフォルランは4月こそ得点を積み重ねるも、FIFAワールドカップ後はコンディションが整わず、全盛期のプレーからは程遠かった。柿谷は7月にバーゼル(スイス)へ移籍。前半戦で奮闘したゴイコ・カチャルも中断期間でクラブを去った。南野拓実をはじめとする現有戦力も軒並み持ち味を出し切れず。山口をはじめ負傷者も相次いだ。中断前の第13節からはリーグ戦11試合勝ちなしも経験。「勝ち方がわからない」と選手たちが悩み苦しむほど、チームは混迷を極めた。
AFCチャンピオンズリーグはラウンド16で、ヤマザキナビスコカップと天皇杯ではベスト8で敗退。今夏獲得の元ドイツ代表FWカカウの活躍などでJ1リーグ戦では秋には一時盛り返したが、肝心の残留争い直接対決には徳島戦以外全敗。前年まで積み重ねてきたものを含め、チームが無残に崩れ去った中、J2降格は不可避だった。
ここから立て直すには、相当の覚悟と労力が必要になる。この『失われた1年』を取り戻すためにも、クラブは真摯かつ謙虚な姿勢を持って、『育成型クラブ』の原点に立ち返って、明確なアイデンティティのもとで、2015年のJ2を戦うことが求められる。

Text by 前田敏勝

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2014年12月16日(火)

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