[ ゆく年くる年：今年の漢字　山形 ]
今季、サポーター数人から個別に同じ話を聞いた。
「以前は１年で落ちてもいいから、一度Ｊ１に昇格してみたいと思っていた。でも、上がってみたらもうＪ２には戻りたくないと思うようになった」
それだけ、Ｊ１昇格が山形にもたらした変化は劇的だった。試合内容しかり、スタジアムや街の雰囲気しかり。長い時間守備を強いられたり、あり得ない形でゴールを奪われたり、ミスで簡単に失点してしまったり、レベルの高さに直面し悔しい思いをしたのも、すべてＪ１という舞台で戦えたからこそ。どんな苦労も『いい経験』と受け止め、苦汁もおいしく飲み干そうというメンタリティでいられたのは、今季がＪ２時代の１０年分とセットになっていたからかもしれない。

Text by 佐藤 円

2009年12月31日（木）