[ ゆく年くる年：今年の漢字　湘南 ]
攻撃姿勢を貫いた。
象徴的なのが、第２８節福岡戦から第３１節富山戦までの、４連敗の渦中に行われた練習だ。守備に時間を割くのではなく、それまでどおり攻撃に重きを置いた。聞けば、目くじらを立てて失点シーンを見返すこともしていない。ディフェンスの要点を抑えつつ、攻撃の練習はむしろ厚みを増した。さらにトレーニングに向けた周到な準備や勝負の厳しさを植え付けた練習、相手の分析、スタッフの役割分担など、徹底ぶりは微に入り細を穿つ。
勝点を積みあぐねた夏場も、昇格争いが大詰めを迎えても、反町康治監督は一貫して自分たちのサッカーを説いた。指揮官が貫いた姿勢がそのままチームに伝播し、湘南の色として貫かれたのだった。

Text by 隈元 大吾

2009年12月31日（木）