このたびの横浜F・マリノス(横浜FM)のサポーターによる差別的行為について、極めて遺憾でなりません。
挑発行為を受けた選手、川崎フロンターレの関係者やファン・サポーターの皆さま、また不快な思いをされた多くの皆さまに深くお詫び申し上げます。
Jリーグでは、昨今の差別断絶への世界の動きと同様に、また特に今年3月の浦和レッズサポーターによる差別的横断幕掲出の事件以降、全クラブとともに危機感を高め、情報共有および監視策、啓発活動を通じた防止策を講じてきました。
今回私は、差別的事象が発生した際のクラブの責任をどのような観点から検証するかについて、(1)啓発活動、(2)監視体制、(3)発生後の対応、の3点から検討いたしました。横浜FMの当該試合での監視体制や発生後の対処については適切であったと思いますが、結果的にファン・サポーターの皆さまへの十分な啓発活動がなされていたとは言えず、クラブの責任を問うこととなりました。横浜FMは3月に起きた浦和の差別事件以降、速やかにクラブ内の人権研修を実施するなど、強い意志を持って率先して差別問題に向き合ってきたクラブの一つでしたが、啓発という点においては、Jリーグ、横浜FMをはじめ、他の多くのJクラブにおいてもまだまだ十分な活動が行われているとはいえません。本件は、一クラブの問題にとどまらず、サッカー界全体の、ひいては社会全体の問題として、一人ひとりが主体的に向き合わなくてはいけないものであることを示唆していると考えます。
Jリーグは引き続き、日本サッカー協会およびJリーグ全クラブと協働し、断固として差別を許さないという強い態度で繰り返し啓発の機会を創出していきます。
同時に、ファン・サポーターの皆さまとも、「差別」という世界中全ての場所で起こり得るこの根深い問題について、共に考え、向き合い、サッカー界だけではなく社会全体の問題として、一緒に世の中に提言し啓発に取り組んでいきたいと考えております。
多くのファン・サポーターの皆さまにおかれましては、日頃よりスタジアムの内外でJクラブや選手たちの応援・サポートを通じてJリーグを盛り上げていただき心より感謝しております。
4月に発表したJリーグ・フェアプレー宣言でも申し上げましたが、私たちは、安心かつ安全で快適、そして年齢、性別、国籍などの区別なく誰もが夢を見て、楽しめるJリーグでありたいと考えています。
こうした考えに基づき、Jリーグのスタジアム内外におけるメッセージや言動は、それに触れる方々が共感し、感動を共有できるものになるようご協力をお願いいたします。
Jリーグを、「世界で一番フェアでオープンなリーグ」にしていくために、皆さんとともに考え続けていきたいと思います。
以上
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