3月8日(土)に埼玉スタジアム2002で開催された試合における、一部のサポーターによる差別と受け止められかねない行為に対し、まずはJリーグを統括するチェアマンという立場として大変遺憾に存じます。そして今回、不快な思いをされた皆様、日本サッカー界の地位向上を目指して日頃よりJリーグを支えていただいている皆様、そして応援してくださっている皆様に、深くお詫び申し上げます。
私は本件を大変重く受け止めており、ホームクラブである浦和レッズに対して今回、厳しい制裁内容を裁定委員会に諮問しました。そして同委員会から当該制裁内容が相当であるとの答申を受け、本日の制裁を最終決定するに至りました。
1月のチェアマン就任から今シーズンの開幕までの期間、私はまず、ピッチ内外のフェアプレーの徹底を指針として掲げ、皆様にその思いを繰り返しお伝えしてまいりました。加えて、新しいお客様に一人でも多くスタジアムにいらしていただき、Jリーグをご覧いただく必要性も再確認してまいりました。この「新しいお客様」の中には、年齢の差や男女の別、もちろん国籍も関係ないという考えを当然に含んでおります。
どの行為が差別的であるかということに関しては、さまざまな受け止め方があると思います。しかし大切なことは、その行為を行った側がどういう考えに基づいていたのかということではなく、受け手がどのように感じたかということに目を向けるべきであると思っています。この意味で、今回の行為は差別的な行為であったと考えざるを得ません。この数日間のメディアやインターネット上での露出状況のほか、この行為の反響が海外にも波及していることからみて、社会的影響は想像以上に大きく、Jリーグおよび日本サッカー界全体のブランドイメージを大きく毀損していることは、もはや明白であると思います。
今回の行為は、私が就任当初から申し上げていたフェアプレーの精神に逆行した事象です。子どもたちに夢を届け、フェアなスポーツマンシップの見本になるべきはずのJリーグにおいて、今回のような事態が発生することは看過できません。安心・安全で快適なスタジアム運営を目標に掲げるJリーグのスタジアムが危険で怖い場所というイメージになってしまうことは、絶対に避けなければならないことです。
浦和レッズに関しては、過去においても一部のサポーターによるトラブルが複数発生しており、その中には人種差別的な行為と認定され、クラブが制裁を受けたこともありました。大半の浦和レッズのサポーターも、この一部サポーターの行為に対してきっと心を痛めていることでしょう。1993年の開幕当初からJリーグに名を連ね、日本プロサッカー界のリーダー的存在であるべき浦和レッズが、一部のサポーターの行為とはいえ、このような事態を許してしまったことに対して、誠に慙愧の念に堪えません。
浦和レッズには、今回の制裁内容を従来にも増して重く受け止め、再発防止の徹底に努めるよう強く求めました。JリーグやJクラブに関わる全ての関係者、ファン・サポーターの方々とともに、今回の事象をきっかけにJリーグのこれからのあるべき姿を今一度、見つめ直していきたいと思います。
フェアで世界に誇れるJリーグ。それは、Jリーグを愛する人たち全員で築いていかねばなりません。今日から改めて、Jリーグのイメージの回復に努めてまいります。皆様のお力添えをいただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上
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