7月9日のワールドカップ・ドイツ大会準々決勝で、3連覇を狙う地元ドイツを延長の末1−0で下した日本だが、FW丸山の決勝点をアシストして試合のMVPにも選ばれたMF澤をはじめ、なでしこジャパンの選手は勝利に驚きとうれしさを隠さなかった。
過去8回の対戦で1分け7敗の相手を大舞台で倒して、MF澤は、「正直、びっくりしています。いつかドイツを倒すという目標があって、今日、ドイツ相手にっこういう大きな大会で勝利できたことはすごくうれしい。久しぶりにうれし泣きしました」と笑顔を見せた。
ゴールをアシストしたプレーを訊かれると、「120分試合に出るのはすごく疲れたが、ボールが来たときに、ちょうど丸山選手が走っているのが見えて、DFの裏のスペースが空いているのが見えたので、そこにパスを出した」と振り返り、さらに「なかなか世界大会で1勝するのは大変ですが、メダルを目標にがんばっているので、上を目指して頑張りたい」と答えた。
FW丸山選手は、「ゴールを決めたのは私だけど、チームの気持ちがこもった得点。チームに感謝しているし、監督にも我慢して使ってくれていたので、チームに貢献できてうれしい」と振り返った。
後半からの途中出場だったが、「入って流れを変えるように言われた」と言い、「(控えの立場だが)コンディションとモチベーションを落とないようにしていて、チームもサブを大事に扱ってくれている。特に澤さんからは、いつも声をかけてもらっていたので、その澤さんからのボールで決められたのがうれしい」と喜んだ。
26000人の満員の会場はドイツを応援する大歓声が響く、“完全アウェー”の状態だったが、「北京五輪で中国とやってアウェーの感じは分かっていたが、もっとすごかった」と話し、その舞台で北京オリンピックの3位決定戦で敗れてメダルを逃した相手に勝利して、「北京の時にメダルを獲るのとベスト4で終わるのでは全然違うと実感した。あと2試合できる。ワールドカップという舞台で素晴らしいチームと日本がやれることはすごく楽しみ。相手がどこでも1試合1試合気持ちを込めて戦いたい」とコメントした。
最終ラインで奮闘したDF岩清水は、「驚きと喜びの両方の気持ちがある。失点しなければ行ける、前半0−0なら見えてくるとみんなで話して、DFの選手の間では前線からのプレッシャーとクロスの対応がポイントだと話して、集中しようと声をかけていた。一つでもミスをすれば失点すると分かっていた。ゴールを決めてくれて報われた。ドイツが対戦相手になって、失うものはなにもないと腹をくくった。ドイツを無失点に抑えたのは自信になる」と語った。
前線で相手との激しい競り合いを繰り返すなど、攻守にハードワークを見せたFW安藤は、この日が29歳の誕生日。試合後にはベンチ前でチームメイトからペットボトルの水をかけられるなど、祝福を受けた。
「最高の試合ですごくうれしい。自分の誕生日に最高のチームメイトと最高の舞台で結果を出して祝ってもらえて、最高の誕生日になった」と喜んだ。さらに、「ドイツは個々の能力が高いが、自分たちの守備がはまっていたので、やれるという手応えは前半からあった。守備の時間が長くなると思っていたので、ボールがきたときにしっかりキープして、チャンスがあったらゴールまで行けるようにと意識してプレーしていた。(ルームメイトでもある丸山)桂里奈がゴールを決めてくれたので、すごくうれしかった。2人で結果を残そうという話を試合前にしていた。『勝つとしたら今だ』とみんなで話していた。土壇場に強いのがなでしこの強さなのだと、改めて思った」と話した。
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