U-17日本女子代表 3-3(PK4-5) U-17韓国女子代表
あと一歩だった。日本女子サッカー史上初のFIFA主催大会での決勝戦は、延長を含む120分の死闘の後突入したPK戦の末、敗れた。選手たちはピッチで悔し涙を流し、その場に立ち尽くした。
前半6分にいきなり失点したが、日本は焦りを見せなかった。持ち前の卓越したパス交換からの攻撃を警戒して、韓国は受け身にならざるを得えず、FWを残してそれ以外は自陣深く下がった。
反撃の狼煙を上げたのはボランチの猶本だった。前半11分、左CKこぼれを拾うと、左足を思い切り振り抜いたシュートはGKの手を弾き、ボールはネットを揺らした。それに触発されたか、同17分にはもう1人のボランチ田中陽が積極的に右ミドルシュートを打つ。ワンバウンドしたボールはゴール右下に吸い込まれた。しかし、前半終了間際に約25メートルのFKを直接ねじ込まれ、同点にされてしまう。
運動量の多い日本は、後半も相手を寄せつけなかった。DF陣の冷静な対応は周りに安心感を与え、中盤の選手たちの献身的な守備は、相手の攻撃の芽をことごとく摘んだ。
すると後半12分、左サイドを突破した横山が左足でクロスを上げる。こぼれたボールにいち早く反応した右MF加藤が身を投げ出して、最後は右足で押し込んだ。しかし、その後何度となく訪れたチャンスで駄目押しできずにいると、同34分、一発のミドルシュートで再び同点に追いつかれる。
疲れと焦りが見えた延長戦は、攻撃で冷静さを欠き好機を生かせず、PK戦に突入。先行で決めた後、相手の1番目のキッカーのシュートをGK平尾が左手一本で防ぐと、会場のボルテージは最高潮に達したが、その直後のキックと6人目で日本は失敗し、力尽きた。
決勝を振り返り吉田監督は、「後半リードした後、追加点が取れれば」と少し悔やんだものの、「将来なでしこを目指して、世界の舞台で雪辱を果たしてほしい」と、ロッカールームで選手たちに熱く語った。
高い個人技術を発揮した日本は、大会を通じて観客を魅了し、地元ファンから「ビューティフル・フットボール」と称された。左MFやFWとして6得点を挙げた横山は、ブロンズシュー賞とシルバーボール賞を受賞し、世界にそのインパクトを残した。「チームが受賞したのと一緒」と横山。彼女のその言葉から、選手たちの心のつながりが伝わった。
※ブロンズシュー賞:得点ランキング3位
シルバーボール賞:MVPランキング2位
以上
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