U-17朝鮮民主主義人民共和国女子代表 1(0-0,1-2)2 U-17日本女子代表
日本女子サッカー史上初の快挙となった。世界の大舞台での決勝進出を決めた選手たちは、ピッチ上で抱き合い、喜びを露わにした。
日本は、優勝候補の筆頭に挙げられていた前大会の覇者、朝鮮民主主義人民共和国の厚い壁を打ち破った。
スタジアムは独特の雰囲気に包まれていた。地元サッカーファンが叩く大音量のドラム音は主審の笛の音さえかき消すほどで、大声を出しても選手間で全く聞こえなかったという。
その影響は大きく、日本は得意とするパスを回しからの攻撃にいつものリズムはなく、いま一つ呼吸が合わないまま前半を終えた。
ハーフタイム中の吉田監督の、「弱気になるな」という一言が、選手たちを変えた。後半に入ると落ち着きを取り戻した選手たちだったが、14分にFKから失点を許してしまう。
後がなくなった日本に、残された道は攻めることだけ。強い気持ちで攻撃に転じると、思いがようやく通じた後半24分、左CKから流れたボールを浜田が拾う。すかさず上げた右からのクロスを、完ぺきなタイミングで遠いサイドに走り込んだ高木が頭で合わせて同点とした。
勢いづいた日本は直後の25分、ここまで全試合得点中の横山が相手DF3人を抜き去る圧巻のドリブルからGKと1対1となり、最後は右足で冷静に流し込んだ。
日本は粘り強い守備が身上の相手に苦しめられた。しかし、この戦いで大きなものを手に入れた。それは個々がそれぞれの役割と責任をしっかりと果たし、仲間を思いやり助け合う、本当の意味での全員サッカー。
吉田監督は言う、「最初から決勝まで行くことを考えていた」と。泣いても笑っても次が最後。25日の決勝の大一番では、宿敵韓国との対戦が決まった。日の丸を背負う誇りを胸に、日本、そして世界のサッカー史に新たな歴史を刻んでほしい。
以上
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