東アジア女子サッカー選手権2010決勝大会
2010年2月11日(木・祝)15:15K/O 東京・国立競技場
なでしこジャパン 3 ( 1-0,2-0 ) 0 チャイニーズ・タイペイ女子代表
11日、細かな雨が降り始めた15時15分、国立競技場で東アジア女子サッカー選手権第2戦が行われ、日本はチャイニーズ・タイペイと対戦した。
この日のスターティングメンバーは初戦から7名という大人数を入れ替え、2トップには高瀬愛実、岩渕真奈が抜擢された。
試合開始から主導権を握った日本は、チャイニーズ・タイペイの守備陣の動きを確かめるように、パスをつなぎながら間合いをツメていく。日本の攻撃パターンを研究してきたタイペイは落ち着いて、対応していく。しかし、徐々に日本がタイペイ陣営に居座る時間が増えていくにつれ、タイペイは自陣から抜け出せなくなっていった。日本はGKの福元美穂、センターバックの熊谷紗希と長船加奈か須藤安紀子といった具合に2枚を残して全員が攻撃に加わる。大人数がひしめく前線にはスペースがない。予想通りの展開ではあるが、なかなか揺さぶりが成功しない日本。そして36分、ようやくゴールネットを揺らす瞬間が訪れた。宮間あやがゴールエリア付近でインターセプトすると、そのままDF一枚を交わしてマイナスへ流す。そこへ走り込んできたのは初スタメンの岩渕。確実にゴールに押し込んで、日本が先制点を挙げる。
後半も日本の攻撃の手は緩まない。55分には中野真奈美の上げたクロスを岩渕がダイレクトで狙い、跳ね返されたところを高瀬がツメる。さらにプレーは続き、最後はGKと交錯したこぼれ球を菅澤優衣香がループを放つが狙い過ぎてバーを越えていってしまった。この段階で早々と動いたのは日本の佐々木監督。宮間に変えて澤穂希を投入する。その直後、中野からのパスに再び岩渕が合わせて2点目。さらなる追加点を目指す日本はボールを動かしながらゴールの気配を探るが、タイペイのゴールラインはなかなか割ることができない。このまま終わってしまうかと思われた85分。澤からのパスを左サイドで受けた高瀬が一人交わして思い切り右足を振りぬくとキレイな弧を描いたボールが右上に吸い込まれていった。日本は遅攻に対する課題は残ったものの、結果も残し、2連勝で最終戦の韓国戦を迎えることになった。
●なでしこジャパン 佐々木則夫監督
中国戦からメンバーを7名変えました。若い選手が国立の雰囲気にのまれるんじゃないかと心配もありましたが、90分間の中でしっかりと勝ち取ったことは彼女たちにも敬意を表したいと思います。若い選手を起用するということで、もう少し相手が高い位置からプレッシャーをかけてきてくれた中でサッカーができれば、彼女たちの持ち味というところをもう少し検証できたと思います。リトリートされた中でのコンビネーションとか仕掛け、こういったところはまだまだ完成されていない。でもこういう舞台で結果を出すこと今の彼女たちには精一杯だったと思います。ポイントになる選手たちは、持っているものの全てではないですが、その片鱗は見せてくれたのではないかと思います。
●澤穂希選手
もっと点は取れたと思います。攻撃面ではもっと工夫があってもよかった。だけど、今日は若い選手にこの国立という大舞台を経験してもらうことがより重要でした。みんな頑張ったし、この経験はチームにとって大きなプラスになると思います。実は真奈(岩淵)には試合前にハットトリック頼むよと言っていたんです。あと1点足りませんでしたね(笑)。
●岩渕真奈選手
国立の雰囲気は特別ですね。試合前は随分と緊張した分、2ゴールも決められて嬉しいです。1点目は、あやさん(宮間)がいい形でボールを奪ってパスをくれたのが大きかった。2点目は真奈美さん(中野)さんのクロスの質がよかった。ニアでつぶれてくれたので、良い形で決めることができました。ゴールというのは様々なプレーの積み重ねですから、チームのみんなに感謝したいです。個人的にはもっとドリブルしていきたい。目標はメッシです。小さいけどあの鋭いドリブルは大好きです!
●熊谷紗希選手
若い真奈(岩淵)や愛実(高瀬)の活躍は刺激になります。私はDFでゴールは決められないけど、守備で貢献していきたいですね。次の韓国戦は中1日。今はそんなに疲れていないです。それでもしっかりとリカバリーをして、最高の状態で臨みたいと思います。
以上
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