BICENNTENIAL WOMAN'S CUP 2010 第4戦
2010年1月23日(土)20:00キックオフ ※現地時間
@Estadio Bicentenario Francisco Sanchez Rumoroso
(チリ/コキンボ)
なでしこジャパン 3
( 2-0,1-0 )
アルゼンチン女子代表 0
〔得点経過〕
25分 1−0 中野真奈美 (岡山湯郷Belle)
44分 2−0 安藤梢 (FCR2001デュイスブルク/ドイツ)
74分 3−0 山口 麻美 (ウメオIK/スウェーデン)
大会最終戦績
〔全試合結果〕
1/13(水):
デンマーク 0-1 日本
チリ 1-1 コロンビア
1/15(金):
アルゼンチン 0-0 コロンビア
チリ 1-1 日本
1/19(火):
コロンビア 2-2 デンマーク
チリ 0-0 アルゼンチン
1/21(木):
コロンビア 2-4 日本
デンマーク 1-0 アルゼンチン
1/23(土):
アルゼンチン 0-3 日本
チリ 1-2 デンマーク
〔順位〕
1.日本(3勝1分 勝点10)
2.デンマーク(2勝1分1敗 勝点7)
3.コロンビア、チリ(3分1敗 ともに勝点3)
5.アルゼンチン(2分2敗 勝点2)
1月23日、なでしこジャパンがBICENNTENIAL WOMAN`S CUPの最終戦を迎え、南米の強豪アルゼンチンと対戦した。
互角の立ち上がりから日本は徐々に攻撃態勢を築き上げていく。10分、宮間あやがインターセプトされたボールを取り返し、前線へ。大野忍が胸トラップで落としながらシュートを放つ。惜しくもGKがキャッチしたが、テンポよい攻撃を見せた。15分には右サイドからの流れで安藤梢のクロスに、ファーサイドでフリーになった山口麻美がシュート。しかし、ここもGKのファインセーブに阻まれる。待望の先制点が日本に入ったのは25分。ここまでにも鋭いシュートを狙っていた中野真奈美の右隅へのゴールだった。37分には安藤のクロスがDFにかすって角度が変わったところへ走り込んだ中野がシュート、GKがはじくも澤が拾ってラインギリギリのところで上げたクロスへ再び安藤が飛び込む。まさに波状攻撃が展開されるが、ゴールにまでは至らない。しかし、決めきれないというような嫌なムードは一切ない。攻撃の意図はハッキリとしている。流れは日本。ゴールのにおいが漂っていた45分、ついにアルゼンチンゴールがこじ開けられた。左サイドの矢野喬子から始まったその攻撃は、中で待つ大野のもとへ。マイナスへのパスを宮間が間髪入れずにクロス、安藤がDFを抱えながらもヘッドで押し込んだ。パスをピンポイントでつなぎながら、崩しての日本らしいゴールだった。
後半に入っても、メンバー交代はなし。アルゼンチンにセカンドボールを奪われる展開になるが、ボールを回しながら日本は自分たちのタイミングを探っていく。8分、CKのチャンスに合わせたのは岩清水梓。ブロックされた球を大野が狙う。惜しくもゴールはならなかったが、惜しいシーンだった。70分には、MANICLER LUDMILAが抜け出すも、岩清水がいいブロックを見せてピンチの芽を摘む。そして74分、代わって入った高瀬愛実が左サイドからDFのスライディングを交わして中へ入れると、フリーだった山口がきっちりと決めた。日本は結果、内容ともにアルゼンチンを圧倒。3-0で快勝し、BICENNTENIAL WOMAN`S CUPの優勝を手にした。
■佐々木則夫監督
得点を決めた中野に関しては、この主力のメンバーの中に入ってプレーをするというプレッシャーもあっただろうが、いい動きを見せたと思います。ハーフタイムには攻守に渡ってやろうとしていることはできている。サッカーですからミスはあるものです。ただ、相手にミドルでもロングでもシュートは打たせるなということだけは伝えました。後半も、スタミナが切れて流れが変わったときでも自分たちの力で流れを引き寄せてくることもできていました。このチリでの試合はちょっとしたヒントは与えますが、基本的にはすべて選手たちに考えさせているので、こういった部分は評価できると思います。東アジア選手権では、けが人などを考えるとこのメンバーが主体となって戦っていかなくてはいけません。アジアカップへ向けて実践という意味では最後となります。チリで行ってきたことを東アジア選手権でさらに高めていけるようにしたいですね。
■中野真奈美選手
今日はチャンスが何度か来ていたので、ゴールを決めようと思っていました。先制点は右サイドから中で澤さんが競って、自分の目の前にボールが来たのを入れるだけだったんですけど、こぼれ球は狙っていました。初スタメンだったので、緊張もあったんですけど、アルゼンチンは自分としてはやりやすかったです。このチリ遠征では監督からもオフザボールの動きを意識しろと言われていたんですが、そこはまだ課題として残ってしまいました。この試合は左サイドでしたが、自分としてはどこのポジションもこだわりはないので、与えられたところをしっかりとできるように自分をもっと高めていきたいです。
■澤穂希選手
このピッチで慣れていない訳じゃないですけど、パスの強弱をしっかりすることを考えてプレーしていました。短くなってしまったボールを取られたりしちゃったけど、基本的にあや(宮間)とのボランチはやりやすかったですね。ハーフタイムにベンチで見てた人たちから「もっとサイドチェンジにトライしていい」ということを聞いて、ちょっと後半は変化が出たところもあった。あとはラストパスが雑になってたりとかもあったので・・・出来ていない訳ではないし、自分としてもフラストレーションが溜まるという感じではないけど、まだやれるっていう感触が残ってますね。東アジア選手権はずっと言ってることなんですけどアジアでチャンピオンになれないと世界はないと思ってるんで、結果を残さないといけないと思います。
■山郷のぞみ選手
前の3試合を上から見ていて、GKの分析をやっていたんですけど、このことで今チームはこういうことができていないから失点をするというポイントみたいなところが、見えてきていました。自分の中で整理できていたんですよね。これまでも自分たちのミスからカウンターでやられるということがあったので、最終ラインから中盤、その先の部分をしっかりコーチングしていれば、絶対に大丈夫だと思っていました。攻防とかの展開になったらゴールエリアのコーチングが必要ですが、ほとんどそういう機会はなかったです。チリでは4人でのGKトレーニングということで、若い選手のプレーを見て、ケアすることで、自分のプレーの再確認になるということも実感しました。東アジア選手権は、GKは特にどうなるかわからないのでここからが勝負だと感じています。しっかりコンディションを整えていきたいと思います。
■近賀ゆかり選手
後半の最初はバタバタだったけど、自分たちの時間に持ってこれたのはよかったと思います。今日は、ちょっとアルゼンチンが引いたときにDFラインにプレッシャーがなかったので、変に(前に)入り込みすぎないようにしていました。相手のサイドバックのスペースにFWが結構流れてきてくれていたので、潰さないようにとも考えてました。もうちょっと強い相手とやるときは、もっとボールを動かして、あてて運ぶといったことをやっていかないとかいくぐれない。今回はまず(悪い)グランドに弱いなと。自分もそうだし、チーム自体もそんな感じがしました。あとは最初チームが先発組と合流組と分かれてたのでこの遠征中に一つになる感じがあればいいなと思ってました。最終戦でようやくって感じかな?今日はベンチの声もすごく感じたし、もっと東アジア選手権ではまとまって戦えるようになると思います。
■宮間あや選手
ある程度、自分たちの発想の中で、この時間帯続けること、耐えることといった部分はよくできたと思います。自分は澤さんのプレーも理解しているつもりですし、澤さんにも知ってもらってると思うので、バランスよくボランチはできました。2点目に関しては、見えてました(笑)、安ちゃん(安藤)も完璧にいい位置にいて・・・すばらしかったと。チームとしては、経験を積んでいる選手がたくさんいるので、その選手と一緒にプレーできるという重みを若い選手には感じてほしいと思います。なでしこジャパンとはどういう立場にあるのか自覚することは大切だと思います。チリでは毎日やることがたくさんありましたが、なんだかんだいっても楽しく過ごせたと思います。充実していました。東アジア選手権ではアジアに敵なしという位のプレーをしたいと思います。
以上
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