【J1/J2】
2006年は初めてJ1・18クラブ、J2・12クラブの30クラブによる編成となりました。
シーズンスタート時は、J1の18チーム1ステージ制の新しいシステムが浸透するか、中だるみしないかという心配もありましたが、結果的には、中だるみの心配は杞憂に終わり、終盤に至っては、5チームが優勝争いに絡むという盛り上がりを見せてくれました。
今季はなんといっても大阪勢の頑張りでしょう。1993年Jリーグ開幕時の10クラブ中唯一の無冠クラブであったガンバ大阪が、関西で初となるタイトルを獲得したことを心から称えたいと思います。一方惜しくも最終節で優勝を逃したセレッソ大阪も最後まで素晴らしい戦いを見せてくれました。関西での盛り上がりは、Jリーグの長年の課題でしたが、大阪の2チームの活躍が、今後の関西サッカーの発展につながることを期待しています。
J1の混戦は大変な盛り上がりを見せましたが、一方で、どのチームも長丁場を乗り切る安定的な力を発揮したとは言い難く、来季以降も続く1ステージ制のチーム作りの課題も残しました。
東京ヴェルディ1969、ヴィッセル神戸、さらに柏レイソルは、残念ながらJ2降格となりました。3クラブともJリーグの中では経営基盤が安定しているクラブです。各クラブには、この経営基盤の安定を支えに改めてしっかりチームを建て直してほしいと期待しています。
一方、J1への昇格が決定した京都パープルサンガとアビスパ福岡は、過去にJ1を経験しているクラブです。目先の補強などに走らず、長期の戦略を立ててチーム作りに取り組み、しっかり力をつけて昇格を決めたことを嬉しく思います。また、J1・J2入れ替え戦で見事初のJ1昇格を決めたヴァンフォーレ甲府は、クラブ存続が危ぶまれた時期もありましたが、身の丈に合った経営とたゆみない努力を続け、ここ数年は常にJ2の上位争いに加わってついに結果を出しました。来季J1に昇格する3クラブは、Jリーグの目指すべき方向を示しているといえるでしょう。
J2には今年新たにザスパ草津、徳島ヴォルティスの2クラブが加わりました。率直な印象としては、JFLからJ2に上がってきたクラブが、Jリーグに馴染むには、まだ少し時間がかかるだろうと感じています。来季は愛媛FCが新たにJ2に入会しますが、Jリーグのクラブとしてチーム力や経営基盤が整うには、やはり少し時間がかかるでしょう。ぜひ長期的な目線でクラブ作りに取り組んでいただきたいと期待しています。四国のJクラブが2地域に増えたことで、来季の四国ダービーが盛り上がることを楽しみにしています。
【ヤマザキナビスコカップ】
伝統あるヤマザキナビスコカップですが、ようやく定着してきたことを実感する年となりました。ジェフユナイテッド千葉とガンバ大阪の決勝戦では、国立競技場が45,039人のほぼ満員の観客に埋め尽くされました。勝ち上がるクラブによって決勝戦の入場者数が変動することを危惧しましたが、今年度の盛り上がりはヤマザキナビスコカップに多くのサポーターが定着したことを証明するものと嬉しく感じています。
初優勝を決めたジェフユナイテッド千葉にとっては、今年はフクダ電子アリーナの完成とともに、記念すべき1年となったことでしょう。
【レフェリーについて】
今年は、国内外でレフェリーに関して注目が集まった年となりました。様々なレフェリー批判が出たことは事実ですが、レフェリーに対する関心が高まったことを象徴するものと前向きに捉えています。レフェリングがいかに大切か、そして、いかに難しいか。この2点を多くの方に理解していただくためのスタートラインに立ったと思っています。
レフェリーのレベルが上がり、不満のないレフェリングによって試合が行われることは、サッカー界にとって永遠の課題といえるでしょう。1人の人間が、22 名のプレーヤーをコントロールするという極めて困難な状況の下にレフェリーは置かれています。その中でレフェリーの判定を尊重すること、それも含めてサッカーだということをぜひ理解していただきたいと思っています。
【入場者数】
今年、Jリーグを観るためにスタジアムに足を運んでくださったお客様は、過去最高の8,539,178人、J1リーグ戦1試合あたりの平均入場者数は 18,765人、J2では7,482人を記録しました。各地のJクラブが地道に努力を積み重ねてきた結果と感謝しています。
アルビレックス新潟は、J1リーグ戦で、2年連続Jリーグ一の総入場者数681,945人、1試合あたりの平均入場者数40,114人を記録しました。首都圏以外で、成績や代表選手の人気などに頼らずに、世界一の平均入場者数(37,565人)を誇るドイツ・ブンデスリーガ並みの平均入場者数を記録したことは、特筆に価します。地元の多くのファンが“おらが町のチーム”アルビレックス新潟に共感していることをよく示しているといえるでしょう。
【日程について】
今季は過密日程への批判も起こりました。日程調整については様々な問題が起こりましたが、ヨーロッパではもっと過密な日程が組まれているのも事実です。ワールドカップ年に限らず日程調整は年々重要な課題となっており、解決しにくい永遠のテーマでもあります。日程調整がリーグの運営にいかに大事な要素であるかということを多くの方に理解していただきたいと思うとともに、選手を無視した興行主義に走らないよう注意が必要だと感じています。
【Jリーグ百年構想】
子供たちの育成とサッカーの普及は、まさに「Jリーグ百年構想」の柱です。Jリーグ・アカデミーの活動とともに、各クラブの取り組みは年々真剣になっており、将来に大きな期待を寄せています。地域の理解が促進されていることも実感しています。
また、現在Jリーグを目指す団体が全国で増えていることも、「Jリーグ百年構想」が広がってきた証と嬉しく思っています。Jリーグが、それらの団体に対して、今後どのように夢を与えていけるかが重要だと考えています。
【2006年に向けて】
来季以降も引き続き1ステージ制のリーグ戦を実施します。より多くのファン、サポーターの皆様に、1年間を戦い抜く厳しさ、難しさとともに、その魅力を理解していただけるよう、Jリーグ・Jクラブとも引き続き努力していくことが必要だと思っています。
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