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【J1昇格プレーオフ:準決勝 磐田 vs 山形】レポート:衝撃的な幕切れ!GK山岸の決勝弾で、山形がファイナル進出!(14.12.01)

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その瞬間、ヤマハスタジアムに歓声と、悲鳴がこだました。

誰もが予想できない結末となった――。
「まさかゴールに吸い込まれるとは・・・」。山形の決勝点を決めたのは、GK山岸範宏。本人も驚く、劇的なゴールだった。ドラマは1-1で迎えた後半アディショナルタイムの山形のCK。プレーオフの規定上、ドローでは敗退となる山形が、ラストチャンスに全てを懸けた。石川竜也のキックに飛び込んだのは山岸。ヘディングシュートは孤を描き、ゆっくりとファーサイドのゴールネットへ吸い込まれた。

GKのヘディングゴールはJリーグ史上初。もちろん山岸にとっても「人生で初めて」(同選手)。「こういうことには全く慣れていないので(笑)」とゴールパフォーマンスをする余裕もなかった。これにはキッカーの石川も「まさかGKが決めるとは」と苦笑いを浮かべた。一方、“歴史的”な幕切れに、磐田・名波浩監督は「“奇跡”を呼ぶ力が山形にはあり、僕らにはその力がなかった」と言葉を搾り出すことがやっと。決勝進出をほぼ手中にしていた磐田に、反撃する余力は残されていなかった。

試合後、山形・石崎信弘監督はこの決勝点を「みんなの気持ちが乗り移ってゴールに吸い込まれた」と振り返った。指揮官の言葉の通り、山形には“ミラクル”を引き寄せるだけの勢いがあった。週中に天皇杯・千葉戦(長居)を戦い、中3日でヤマハに乗り込んできた。先述した通り、プレーオフの規定上、『ドローでは敗退』というディスアドバンテージもあった。会場には山形サポーター約800人も詰めかけたが、磐田サポーターが作り出したヤマハの雰囲気はまさに“アウェイ”。
それらをはねのけ、序盤から持ち前のプレッシングを徹底した。ボールを奪った際にはディエゴ、川西翔太、山崎雅人の前線3枚を生かしたシンプルな攻撃を仕掛け、磐田を牽制した。そのアグレッシブな姿勢が実を結んだのは26分。ディエゴへのスルーパスを一度は磐田・八田直樹にクリアされたが、こぼれ球を拾った右サイドの山田拓巳がすぐさま右足でクロス。これをゴール前でフリーとなったディエゴが頭で叩き込んだ。

負けられない磐田も前半アディショナルタイムに“意地”を見せた。45+3分、宮崎智彦のミドルシュートにエリア内の松井大輔が体ごと突っ込み、そのこぼれ球に反応した山崎亮平が左足で確実に流し込んだ。第33節・水戸戦以来約2か月ぶりの先発となったドリブラーが、名波監督の期待に応えた。その直前の45分にはディエゴにポスト直撃のシュートを打たれているが、結果的にイーブンスコアで前半を乗り切った。
後半もチャンスは作った。51分には小林祐希がバー直撃のミドルシュート。さらに81分には駒野友一のFKに飛び込んだ藤田義明がポスト直撃のヘディングシュートを放っている。これらの決定機を決めきることはできなかったが、八田直樹の好守もあり、山形にもゴールを許さなかった。終盤になると敵陣のサイドの深い位置でボールキープ。あとはタイムアップのホイッスルを待つだけだった――。

まさに“一発”で明暗が分かれることになった。磐田の選手、スタッフは放心状態。ゴールを決めた山崎亮平も「今は何が悪かったのかはわからない・・・。ただ、勝ちきる強さがなかったことがこういう結果を招いてしまったと思う」とうなだれた。試合終了直後はこみ上げるものを抑えることができなかった。今季4位に終わり、それでもプレーオフに全てを懸けた磐田。しかし、不本意な形で今シーズンを終えることになった。

一方、山形の選手、スタッフは喜びを爆発。アウェイスタンドのサポーターも一緒になり、勝利の味を分かち合った。それでも「まだなにも掴んでいない」と山岸。狙うは6位からの“下克上”。12月7日、味スタで千葉とJ1昇格を懸けたファイナルに臨む。この勢いは止まりそうにない。

以上

2014.12.01 Reported by 南間健治
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