●小野剛監督(熊本):
「最後の最後まで苦しめられた試合だったんですけれども、なんとか勝ちきることができて良かったと思ってます。要因としては、リードしてからもしっかりとボールにプレッシャーをかけ続けたこと、それから攻める姿勢を失わなかったこと、そして熊本から多くのサポーターが駆けつけてくれて、消耗してきた時間帯も大きな支えになって応援してくれたこと、それから、最後、メンバーに入れなかった仲間のぶんまで、ピッチに出た選手達がしっかりとその責任を果たして戦ってくれたことじゃないかなと思います。最後、良い形で締めくくれて本当に良かったと思っております」
Q:野田裕喜選手を先発起用した狙いと評価をお願いします。
「彼は本当に高い能力を持っていると思いますし、トレーニングの中でもそれを示してくれました。トレーニングマッチ(紅白戦)は何回か出て遜色なくやってくれましたし、先週もメンバーに入りました。その前に彼に伝えたことは、同じ土俵の中で18人に残るための、そしてピッチに出るための競争をしてくれと。すなわち、彼が今日ピッチに立ったということは、チャンスを与えたわけではありません。これは最後にピッチに立った(藤本)主税もそうなんですけれども、全てチャンスを彼らが勝ち取って、野田はトレーニングの中からそういうものをしっかりと見せてポジションを勝ち取ったと思っております。プレーの方も、いろいろな緊張感の中で、あるいは相当な気迫で相手も来たんで苦労したところもあったと思いますけれども、本当に堂々と、最後の最後まで集中してプレーして、本当によくやってくれたというふうに思っております」
Q:福岡の攻撃に対してどういう守備をしようと考えていたのか教えてください。
「相手の攻撃に関しては、裏を狙ってくる攻撃、それからボールを奪ってからのカウンター、このあたりのところはトレーニングの中でその対策としてはやってきました。で、いちばん大事なのは、相手を抑えることよりもその出どころをしっかりとふさいでしっかりとプレッシャーをかけ続けることだと。で、相手の最終ラインにこちらの中盤がプレッシャーをかけにいった時、そこのリスクを全体でどうカバーしていくか、特に逆サイドの中盤の選手とか、そういったところが重要になるんで、そこまで含めて今日はよく、最後まで足を動かしてくれたんじゃないかと思ってます」
Q:開幕と最終節で福岡との対戦になりました。監督がおっしゃっていた成長という部分で、振り返ってみてどういう評価でしょうか?
「成長というのはいろんなところに見えるものなんですけど、特にチームとしてのスピリットを築いていった、そこは非常に大きなものの1つじゃないかなと思ってます。目標としてたプレーオフが目の前から遠ざかってしまった、そこでもう1回力を発揮できるのか、周りの環境じゃなく、自分の中から力を生み出せるのか、そこはこの3試合で我々にとって大きなチャレンジでした。そこの部分で言うと、本当に1つ1つの試合をしっかりと戦ってくれたし、18人に入るまでのトレーニングで誰1人として気を抜くことなく、目を輝かせてやってくれて、こういった端々に、個々のメンタリティ、それからチームとしてのスピリット、そういったものは非常に、特に最後の方は感じることができました。もちろんそれは、最後になって出てきたわけではなく、日々のトレーニングの中でじわじわと皆が、1人1人の選手が獲得していってくれたものだと思ってます。技術、戦術に関してもいろんな部分というのは当然、スタートから比べて大きな成長、いろんな部分がありますけれども、特にその中で印象的なところとしては、そういったメンタリティというのは大きいと思います」
Q:それは一定の成長を実感されているということでよろしいでしょうか。
「そうですね、一定のというよりは、自分が想定していた以上のもの、1人1人の選手、あるいはチームとして培ってくれたというふうに、自分自身としては思ってます」
Q:藤本主税選手と吉井孝輔選手が引退ということになりますが、改めて2人がチームにもたらしたもの、残したものはどういうものだったのか教えてください。
「まず、キャプテンの吉井ですけれども、怪我でなかなかゲームに絡むことができない、苦しいシーズンだったと思います。ただ彼は、今チーム全体のスピリット、そういったところの成長と言いましたが、彼なくしてそういったところを達成することはできなかったと思います。どんな苦しい時でも前向きに、チーム全体をポジティブな方向に持って行く。素晴らしいものを、この苦しいシーズンの中でも発揮してくれましたし、もちろんその前の段階で彼が元気にプレーしていた時、そのクオリティというのは非常に大きなものをこのチームに残してくれたと思ってます。藤本はホームの最終戦で活躍して、そこで気持ちとしてはやりきったという充実感があったと思うんです。そこから先の2試合でもう1回、厳しい競争に身を置いて、日々のトレーニングの中で最後のこの試合に向けて、そこに入るんだというもの、すさまじいものを見せてくれました。何よりそういったプロフェッショナルな思いというのは、若い選手達にとっても非常に刺激だったと思います。実際、この試合に関しても18人に入ることを彼自身の力で勝ち取って、そういったものは本当に、最後の最後の試合で、これまで築いてきた以上のもの、素晴らしいものを残してくれたと思います」
Q:開幕前に、見る人のハートにタッチできるようなサッカーをしたいということをおっしゃっていました。今日、試合後にサポーターから「小野コール」で呼ばれて一緒に踊りましたが、それはサポーターにもそういうゲームをシーズンを通してみせることができたからではないかと思いますが、その点は1年通していかがでしたか?
「勝った時にあそこへ行くというのは、自分としては基本的には行かない、勝ちは選手が勝ち取るもので、そこへ私がのこのこ出て行くところではないという信念があったんですけど、今日ああやって声をかけてもらったというのは、本当に感無量なところがあります。本当に嬉しい気持ちです。で、良い試合をしても勝ちきれない、もうひとつ点が入らない、ギリギリで追いつかれる、そういう悔しい試合ももちろんあったんですけれども、少なくとも戦う、全力を出し切るということに関しては本当に、素晴らしいものを1人1人の選手、そしてチームとしても、シーズンを通してやってくれたんじゃないかと思ってます。こういった戦う姿勢、全力を出し切る姿勢というのは、このロアッソの1つの宝にしていってもらいたいなと思ってます」
Q:結束力がこのチームの大きな武器だということをシーズン前からされていました。今日はベンチに入れなかったメンバーもここへ来て、最後はちょっとしたセレモニーのようになりました。それは非常に象徴的なシーンだと思いますが、その辺りについてはいかがですか?
「プレシーズンの時に感じたのは、チームの結束力では絶対負けないぞという手応えはありました。それを宝として、磨きをかけてもっともっと大きくしていきたいというのが、この1年の自分の戦いだったと思います。それは選手が最後まで大事にしてくれて、今日も実は、試合前に『俺達の最大の武器は何だ』と、結束力だと、ここに来られなかった選手たちの分までしっかり戦おうと。で、それをやってくれました。残った選手達、強制はするなとコーチにも言いました。でも選手の方から『皆で行く』ということで駆けつけてくれて、試合前のロッカールームでは全員で円陣を組むことができました。1つ1つのことが、今日は自分にとっては非常に印象的で、本当に選手達に感謝したい、そういう1日になりました」
Q:カモンロッソを踊られた感想は?
「あの、本当は、あそこは自分は出るべきでないと思ってたんで(笑)、嬉しいのと、ちょっと照れくさい、恥ずかしいのと、それが混ざった感じでした」
Q:来季の指揮についてはこれから交渉ということかと思いますがいかがですか?
「それに関しては、我々は1年契約の中で生きているので、とにかくこの1年をしっかりと出し切る。当然、でも次に向けて、将来に向けての礎を作りながらの1年にしたいと思っていました。来季のことを今は言うことではないと思ってます」
Q:序盤、選手達の成長に関して全体が100ページあればまだ数ページだという話をされていました。シーズンを終えて何ページまで来たでしょうか?
「本の厚さも彼らの成長段階によって変わってくるので(笑)、100ページの本がもっと厚くなって、もっともっと伸びてもらわなきゃ困るところもたくさん出てきて。ただ、ずいぶんあの段階から進歩してくれたという実感は持ってます。すいません、数字で言えず申し訳ないです(笑)」
以上
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