山形・石崎信弘監督は「選手たちが前半から集中して、激しく戦ってくれた」と試合を総括。敵地で“普段着”の戦いを見せた山形が今季初の3連勝を飾った。
先制点は42分。敵陣右サイドで川西翔太のパスを受けた山田拓巳がクロス。巧みにマークを外し、ニアサイドでフリーとなったディエゴが頭で押し込んだ。ブラジル人アタッカーは「自分たちのいいサッカーをして、勝点3を取ることだけを考えていた。ゴールは練習通りの形。触るだけだった」と語る。試合を通じて前線で“一発”を狙い続け、相手の脅威となった。
結果的に前半を1点リードで折り返したが、前半山形が打ったシュートは2本のみ。磐田にボールを持たれる時間が長かったが、冷静だった。シャドーの山崎雅人は守備面について「前の3枚でなるべくボールを限定して追うという形は作れていた」と語る。ディエゴ、山崎雅人、川西翔太の3選手が前線からプレッシャーをかけ、磐田のビルドアップを牽制。一定のラインまで侵入された場合は自陣へ引き、ゴール前で5バック気味となって磐田の攻撃を弾き返した。
後半もそれを継続。後半もシュートを2本しか打てていないが、ワンチャンスを確実にものにした。追加点は試合終了間際の85分。敵陣左サイドのキム ボムヨンのクロスをニアサイドの伊野波雅彦がクリア。ファーサイドへ流れたボールを途中出場の伊東俊が頭で押し込んだ。「クロスが上がってきそうだったので、まともに競ったら勝てないと思って、裏に入ったところにボールが流れてきてくれた」(同選手)。指揮官の采配がぴたりと当たった。
最後尾から守備をリードした山岸範宏は「うちらしくハードワークをして、労を惜しまない守備ができたこと。それから数少ないチャンスをゴールに結びつけたことが勝因」と試合を振り返る。苦しい時間帯もあったが、最後まで粘り強く戦い、貴重な勝利を手にした。7位・大分との勝点差は『1』のまま。最終節はホームで東京Vと対戦する。
敗れた磐田はこれで5戦未勝利。ボールを持つことはできたが、山形の堅実な守備の前にバックパスや横パスが多くなった。ホームゲームながら相手の術中にはまってしまった感もあった。また、名波浩監督が「前半、雑なプレーが多くなった」と振り返った通り、不用意なミスもあり、カウンターのチャンスを自ら潰す場面もあった。後半開始から松井大輔に代わり山崎亮平を投入し、4-2-3-1から4-4-2へ布陣変更したが、実を結ばず。相手を上回る10本のシュートを打ちながら、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。4位・千葉との勝点差は『1』に。最終節はアウェイで札幌と対戦する。
以上
2014.11.16 Reported by 南間健治
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