●曹貴裁監督(湘南):
「お疲れ様でした。今シーズンのホーム最終戦ということで、本当にたくさんのお客さんに集まっていただいて、何としても勝利を届けたかった。勝点3を届けられて、頑張った選手たちを讃えたいし、それを後押ししてもらったサポーターの皆さんに感謝したいと思います。今日のゲームだけではないですが、我々は毎試合毎試合、1試合ごと、1日ごとに、やるサッカーの質を高めて成長しようということで、誰が出ても、どんな状況でもそういう姿勢を失わないようにやってきました。今日の試合は前半から、もちろんミスはあるが、そういう全体がピンとした糸でつながって、相手のゴールに向かう、またミスがあってもお互いをなじりあうのではなくそのあと切り替えて早く自分たちのモードに戻すということが非常によくできたゲームだと思います。まだまだ課題はあるが、こういうゲームをたくさんやることが彼らの成長につながっていくとずっと思っていたので、悪いところを言ったらきりがないが、自分としてはいい試合ができたかなと思います。
先ほど最後のホームゲームの挨拶で、今年32人のメンバーがピッチに立つ、もしくはメンバーに入るということでやってきたと言いましたが、ここで40試合フル出場した選手もいますし、長い時間出て我々の勝利に貢献した選手は、当たり前ですけど、競争に勝ってピッチに立ってこの結果を出してくれた。讃えるべきだと思います。ただ、その選手たちと一緒になって、ピッチに立つ権利を得ようとしていた、残念ながらピッチに立たせられなかった、その選手たちも、それ以上に僕は誇りに思います。もちろんプロの世界ですから、来年同じメンバーで同じようにやるということは難しいかもしれません。でも、今年所属した選手、もしくは昨年、2年前、3年前、ベルマーレのユニフォームを着てピッチに立った選手全員に成長してもらいたいと思っています。あと1試合ありますが、最後までそういうチームでいてくれたことは、指導者として監督として、ほんとうに彼らに感謝しなければいけないなと思います。
同級生の山口(素弘監督)が今年限りで退任するということをニュースで知って、今日もちょっと話をしましたけど、横浜FCさんも後期は順位としては3位ということで、非常にいい成績を挙げられたのに、何となく僕は同級生として一緒に頑張ってきたので複雑な思いでいっぱいですが、上から目線ではなく、彼のそういう思い、チームに対するものも、できる限りのところで受け継いで、同じ神奈川なので、来年 J1でみんなのパワーを結集していい試合をしたいと思います。
あとアウェイの残り1試合あります。大分さんはプレーオフもかかっていますし、そういうところでみすぼらしい試合はできないと思っているので、もう1回リセットして、選手と一緒にあと1週間いい準備をして戦っていきたいと思います」
Q:勝点100に王手、得点80も超えましたが、ホームでの強さの理由は?
「グラウンドキーパーさんがいい芝をつくってくれるからじゃないでしょうか。馬入の練習グラウンドも本当にいつもいいピッチでやらせてもらっているので、それも含めて、我々のピッチを演出してもらえる、応援してくださるサポーターをはじめ、そういうピッチをつくってくださる人、我々の試合を盛り上げようと頑張ってもらっている育成やクラブのスタッフの人を含めて、そういう想いを忘れてはいけないと思います。その想いが、当たり前ですけどここに結集して、僕が責任を持って采配をふるって勝点3を取ることにまい進するだけだと思っている。ここにいる皆さんも含めて全員の力だと思います」
Q:広島も柏も1年で戻ってJ1で優勝、ガンバもF東京もいい成績を挙げている。チャンピオンで戻ることは来年の期待が膨らむと思うが、J1で戦う自信はさらに増したか?
「J1に戻ってもう一度彼らと一緒に戦ってさらに成長を促すことしか考えていなかった。今我々はJ1 に挑戦する立場であって、ただ、がむしゃらにやって通用するところ、しないところありましたよというふうに終わるだけではいけないと思っている。昨日おととい監督をやらせてもらう言葉にも書きましたが、自信を持って謙虚に戦う、自信を持ちながら我々のウィークポイントや直さなければいけないところにしっかりと向き合って、サッカーをバカにしないでやっていくことが来年いい成績を残すために大事だと思っている。その言葉を自分で言って、いつも忘れないようにしたいと思います」
Q:12月、1月のオフの期間をどう使いますか?
「少しオーバーホールも含めて練習を2週間ぐらいやってからということになると思うが、その前にパレードやイベント、スポンサーさんのパーティーなどもあります。ただ、ハードにやってきた選手たちが一回サッカーを忘れて休むことがこのオフでは一番大事だと思うので、コンディションに気を遣わせながら一回休ませてあげたいなと思っています」
Q:来年のスタートはいつ頃?
「まだ詳しく決まっていないが、おそらく今年始めた日にちとそんなに違わないかなというところです」
Q:昨年、一昨年と比べて、今年の選手が一番成長したのはどういうところか?
「一生懸命プレーするということって、実はそんなに簡単ではなくて。自分で一生懸命やってるよと言っても他の人から一生懸命じゃないじゃんと言われたら一生懸命にはならないんです。その一生懸命って、選手が発信するエネルギーとか、選手の言葉が全てではなくて、見ている人とか我々スタッフがどう思うかというところで言うと、一生懸命をごまかさなくなりました。要は、一生懸命やっているフリをするとか、一生懸命やってるよオレは、というプレーが非常に少なくなりました。もうちょっと具体的に言ったら、チャンスだと思った時はチャンスのようにプレーする、ピンチだと思った時はピンチのようにプレーすることが、実はサッカーでは大事で、その瞬間瞬間を感じられる速度や精度が、間違いなく過去に比べて上がったと思います。今日も2-0の展開で、危ない展開になると思ったんですけど、選手の顔を見ていても2-0になった時に何をしなければいけないのか。3点目を取りにいく中で何を押さえなければいけないのか。ピッチの中でやるべきプレー、今日も永木が俊輝(石川)か大介(菊池)に後半一度怒ってましたけど、それがチームとしての力だと思います。逆に僕は、今年何もしていないに等しいと思います。というくらい、彼らの自立心は過去2年に比べて非常に上がったと思います。それを来年J1でもっと磨いて、自信を持って謙虚に戦っていきたいと思います」
Q:前半相手のボールに対してプレスがはまらない時間があったが、それがうまくはまるようになったのは選手たちによる修正がうまくいったのか?
「立ち上がりちょっと裏返される場面があり、少し相手に持っていかれそうになったが、今のうちのスタイルだとああいう局面が0にはならない。逆に昔ならああいうふうに入ると前半そういうふうになってしまうが、やはり選手が相手の特徴とかどんな形かとか、こちらが指示する前に、今日なら相手の両サイドハーフが張って3バックを外に広げようという動きがあったが、それに対しても冷静に対応できるようになっていたので、そこは全然心配していなかったです」
Q:ホームで16勝しましたが、ホームで一番印象に残っている試合は?
「…特にないですね。強いて挙げれば、去年ホームで負けた試合の方が忘れられないですね」
Q:最後、古林将太選手を投入しましたが、どんな言葉を掛けたか?
「思い切ってやれ、だけです(笑)。思い切ってやるしかないのでアイツは。思い切ってやらなければ古林将太じゃないので」
以上
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