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【J2:第39節 福岡 vs 松本】プレビュー:J1昇格がかかる注目の1戦。福岡はプライドをかけて松本を迎え撃つ(14.11.01)

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第39節、福岡はホーム・レベルファイブスタジアムに松本山雅を迎えて注目の1戦を戦う。対戦相手の松本は21勝11分6敗、勝点74の2位。この試合に勝利すれば、3位磐田の結果に拘わらず、J2参入3年目にしてJ1自動昇格の条件となる2位の座を手に入れる。衛星放送での全国中継が決まっているほか、クラブには、松本のメディア、ファン、サポーターからの問い合わせが殺到。30日現在で、アウェイ席は約900枚が売れており、その数は更に増えることが予想されている。ホームゲームでありながら、対戦相手の成績で注目が集まることは、クラブ、チーム、そして福岡に関わる人たちにとっては不本意と言わざるを得ないが、だからこそ、何があっても勝たなければいけない1戦だ。

「お祝いは彼らのホームでやってもらわなければいけない」と話すのはマリヤン プシュニク監督。奇しくも11月1日はプシュニク監督の54回目の誕生日。「選手たちのベストパフォーマンスが私にとっては最高のプレゼント。戦う態度、意識を持って戦い、勝ってくれたらと思う」と続ける。互いのチーム状況を比較すれば、現時点で松本が上であることは認める以外にないが、勝敗は、それだけでは決まらないのがサッカーというスポーツ。プロとしてのプライドと意地をかけて勝点3を取りに行く。

さて、10月を2分2敗と勝ちなしに終わった福岡。チーム状況は依然として悪いと言わざるを得ない。栃木戦では、ゴールをシンプルに狙う姿勢と、高い位置からボールへ行くという本来の特長が垣間見られる場面もあったが、全体の距離感が悪く、リズム感、躍動感に欠けたことは否めない。そんな福岡に求められているのは自分たちの原点を思い出すこと。相手よりも多く、そして速く走る。球際の1対1の勝負で負けない。それはサッカーの原点ともいえるものだ。長いリーグ戦の疲労がたまり、また相手からも戦い方を熟知された中で、自分たちの特長が思うようにに出せなくなっている側面もあるが、この時期に来れば、どれだけ自分たちのサッカーを徹底できるかが勝利を得るための鍵。戦術云々ではなく、まずは自分たちの戦いのベースにあるものを、余すことなくピッチにぶつけることが求められている。

一方、自分たちを信じ、自分たちのサッカーに徹底してこだわってきたのが松本。それが現在の成績につながっている。そのベースとなっているのは衰えを知らない運動量。ロングボールを多用してシンプルにゴール前へボールを送り、セカンドボールを拾って一気にゴールに襲い掛かる。ボール支配率だけなら、J2でも下から数えた方が早い。しかし、その戦術を徹底させることで、シュート数489本(J2で3位)、被シュート数は395本(同11位)という数字を叩き出し、その結果として57得点(同3位)、30失点(同2位)という堂々の結果を残している。一見単調に見えるサッカーも、自分たちのやり方にこだわる姿勢と1本のボールに対する集中力、そして、ここ一番の精度の高さは、どのチームにも優る。現在の順位は勢いではなく、彼らの実力で積み重ねてきた結果だ。

高い位置からプレスをかけて、テンポのいいパスをつなぎながら攻め上がる福岡。シンプルにロングボールを蹴ってゴールに迫る松本。対照的な特長を持つチーム同士の戦いは、如何にして自分たちの戦い方に持ち込むかで勝負が決まる。福岡にしてみれば、長いボールを蹴らせないこと、そしてセカンドボールをどれだけ支配できるかが鍵。そのためには、やはり高い位置からのプレスを機能させることが重要で、恐れずに前へ出ることが求められている。また、57得点中31得点を挙げている松本のセットプレーを、どのようにして封じるかも勝敗の行方を大きく左右することになる。

そして、ホームゲームの熱さで知られる福岡と、サポーターと一体になって戦うことではJ2屈指の松本の対戦は、チーム同士だけではなく、チームを支える人たちの力を合わせた総力の戦いでもある。激戦必至の試合は、1日、19:00にレベルファイブスタジアムでキックオフされる。

以上

2014.10.31 Reported by 中倉一志
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