今のガンバ大阪の勢いを感じさせるような、圧倒的な内容で勝ち切ったのかと言えば、そうではない。前半は特に攻撃を作り上げる段階でミスも多く、また前線へとボールを繋げてもどこか手詰まり感が否めなかったのも事実だ。後半は前線でようやくボールがおさまり始めたことで厚みのある攻撃も何度か見られたが、これまでの試合と比べてみても、決して『ガンバ大阪のゲームだった』と言い切れる内容ではなかったと言えるだろう。
ただ、そうした悪い流れをも、勝ちに持っていける強さが、今のガンバ大阪にはある。
攻撃力を誇る川崎フロンターレにボールを持たれても、慌てて食いつきすぎることなく、ゴール前にしっかりとブロックを築き、どちらかといえば相手の攻撃を『はめる』ような形で相手の攻撃を受け、潰す。あるいは、ボールの出どころに対して、次の展開を予測しながらしっかりとプレッシャーをかけ、攻撃の芽を摘み取る。また、ここぞという場面では個々がしっかりと球際に圧力をかけ、ボールを奪いにかかる。
そうした守備からボールを手にしても、決して攻め急がない。前線の枚数が足りていないときにはMF遠藤保仁を中心にゆっくりとボールを動かしつつ、ここぞという瞬間にショートカウンターで攻撃を加速させる。そして、57分にDF米倉恒貴が決めたセットプレーからのゴールに代表されるように、獲るべきチャンスを見逃さない。
つまり、試合の流れに応じて、うまく自分たちの時間帯、そうでない時間帯を共通理解のもとでしのぎながらゲームを進め、かつ『ゴール』を奪えたとなれば、白星はある意味、必然だったのかもしれない。
それに対して川崎フロンターレは、ガンバ大阪の試合巧者にたったサッカーに屈したという印象だ。
確かにボールは持ち、攻撃の回数や、決定機の数を見てもG大阪を上回ったのは事実だ。ただ、結果的には、最後のところで慌てることなく、落ち着いて対応を続けたG大阪の守備に手こずり続けた。加えて、最後尾で身体を張り続けたGK東口順昭の堅守にも、だ。特に80分に、ゴール左側、MFレナトのドリブルによる仕掛けから送り込んだクロスにFW小林悠が合わせたシーンは、この日最大の決定機だったが、そこもGK東口のビッグセーブに泣き、最後までゴールを奪うことはできなかった。
結果、ガンバ大阪は鹿島戦に続く上位決戦を制し、勝利。同節で首位の浦和レッズが敗れたことで、その勝点差を4に縮めた。残り6試合。中断前の試合では降格圏に沈んでいたことを思えば、ミラクルともいうべき状況だが、ガンバ大阪に慢心はない。今はただひたすら、『ミラクル』を現実とするため、残り6試合、「こちらは追いかける立場なので。とにかく焦らず目の前の試合で1つずつ勝点を積み上げながらプレッシャーをかけていく(MF阿部浩之)」だけだ。
以上
2014.10.19 Reported by 高村美砂
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