連勝中の新潟は勝点37の11位。このホーム戦で3連勝を決め、上昇気流に乗りたい。今季は26、27節まで連勝がなかった。柳下正明監督が「1つ勝つとホッとしてしまう」と指摘したように、勝利の次はアグレッシブなゲームができないことが多かった。初めて白星を重ねて迎えるホーム戦。さらに積み重ねることは、勢いを本物とするためにも欠かせない。
そのための気持ちの引き締めにひと役買ったのが、選手会長でもあるMF田中亜土夢だ。15日の練習後、シュラスコパーティーを企画した。レオ シルバから提案され、キャプテンの大井健太郎と話して柳下監督に相談。「結束を強めるためにもやりたかった。監督も『いいよ』と言ってくれました」。練習後にクラブハウスの敷地内で選手、スタッフ全員が参加。リラックスしたひとときを過ごした。
その成果は「すぐに出ました」(田中)。翌日の紅白戦では「全員が同じ気持ちでやっていた」と言う。「いい緊張感が出てきました。1つになって戦おうという雰囲気になりました」。ピッチの外での役目は果たした。
ピッチ内での田中の仕事もはっきりしている。「ゴールに絡むプレー、できれば自分で決めたい」。今季の得点は第11節・大宮戦と第12節・清水の2点のみ。ただ、ここに来て調子は上がっている。要所でフリーランニングを見せ、中央に切れ込んでレーするなど、豊富な運動量を土台にチャンスメークを行ってきた。連勝の中、前線からのプレスに激しい球際の攻防と、「新潟らしいプレー」を率先して体現。それだけに、自分を勢いづける得点が欲しい。
甲府とは前回対戦のアウェイで引き分けた。ヤマザキナビスコカップ予選では1-0の勝利。守備を固められ、攻めあぐむ流れだった。「守ってくると思うが、慌てずにやれば大丈夫。スペースはできるはずだから、そこをきっちり狙う」と田中。的確な判断から得意のスペースへの飛び出しで、チャンスメーク。そして隙あらば自らがゴールを奪う。
甲府は14位。ただ、勝点は28で15位の大宮、16位の清水と並んでいる。残留争いから抜け出すためにも、白星が必要だ。前節は大宮に0-1と痛い星を落とした。2週間のインターバルでメンタル的に切り替えられたかも重要になってくる。
ここまで6勝全てが無失点。相手に得点されると、追い上げを許してしまう。それだけに先制点は絶対に許してはいけない。新潟のプレスをしのぎ、奪ってからの速い攻めで、先にゴールを奪う流れに持って行くことが求められる。一発のあるクリスティアーノと、河本明人の機転の利いたプレーを軸に、新潟の守備の隙を突いていく。
昨年の対戦は2戦とも1-1。このカードは接戦が多い。今回もどちらにとっても、モチベーションを高く保つ要素があるだけに、1点の行方が大きな意味を持つ。
以上
2014.10.17 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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