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【J2:第36節 山形 vs 長崎】プレビュー:山形は長崎の堅守を破れるか? チャンスを得点に結びつける精度と勝負強さが問われる一戦!(14.10.10)

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「ワシ、今年ね、『いやあ〜、これは勝てなかったな』という試合は2試合しかない」。そう語るのは山形・石崎信弘監督。ここまで13勝10分12敗。今季3勝の富山とともにいまだ連勝がなく、思うように勝ち星を積み上げることができていないが、そのなかでも勝利の可能性が感じられない試合は2試合のみだったということになる。一つは、3バックに変更したばかりのタイミングで迎えた第31節・愛媛戦。2分で先制されたあともほぼ主導権を握られ、0-4で敗れた試合だ。もう一つは、負けた試合ではない。第18節、前回の長崎戦。「相手が外してくれたから0-0だったけど、あの試合はどうやっても勝てなかったなと思う」。ラストプレーで小松塁が至近距離のシュートを浮かさず枠に押し込んでいればあるいは…など、数多くの決定機をつくられた展開だった。「あとは勝ってるんだよ、ワシの中じゃ」。それだけのチャンスを生かしきれなかった代償として、8位に甘んじている。

前節・岐阜戦も、立ち上がりから一方的に攻め込んだものの得点を奪えず、流れが変わった後半に相手の攻撃をしのぎ切れずに失点、0-1で敗れている。失点はJ2で3番目の少なさと守備は安定し、シュート数も4位と上位にランクされながら、得点数は真ん中の12位タイに留まっている。「決定力不足」の言葉が浮かぶが、GK山岸範宏はさらに踏み込んで、思ったように勝点が増えないチームの現状を分析する。「上位に食い込むチームは、悪いながらも勝てたという試合が多いと思う。内容も結果も伴う会心の試合はなかなかない。悪いながらも勝ちきるたくましさをつけなければいけない。今日、明日でつくものではないけど」。勝点2差まで迫ったJ1昇格プレーオフ圏内は、前節の敗戦を受け再び5差まで遠のいている。残り7試合、勝利以外ではプレーオフ圏までの距離はさらに広がることになる。水曜日には天皇杯準々決勝も控える3連戦。状況は厳しいが、まずはその初戦を獲ることで前に進む推進力を得たい。

その山形から勝点4差、12位の長崎は昇格へさらに厳しい状況だ。最近5試合は負けなしの2勝3分で、すべて1得点。負けていない面を強調することも、勝ちきれない面を強調することもできる結果だが、引き分けた相手は磐田、大分、岡山と現在プレーオフ圏内にいる3クラブ。3試合とも相手シュート数を5本以内に抑えるなどシュート数で上回り、圧倒した時間も少なくない。前節・岡山戦は6分にいきなり先制を許し、追いかける苦しい展開となったが、88分に高杉亮太のゴールで追いつき、勝点を拾っている。最後方では、山形でもプレーした植草裕樹が堅守の最後の砦としてゴールマウスを守る。負けなしの5試合は植草の移籍後の出場をきっかけに始まっている。第32節・横浜FC戦ではPKストップで勝利にも貢献した。

長崎は今季11得点のターゲット佐藤洸一、動き出しと運動量が特長の奥埜博亮、ラストパスが出せる東浩史の1トップ2シャドーが攻撃の重要なユニットだが、それ以上に得点につながり、多用しているパターンがサイドからのクロス。サイドに付けたタイミングで確実に前線の3人がペナルティーエリアに入り込み、さらにボランチからも加勢することも多い。前節の高杉のゴールも左ウィングバック・石神直哉からのクロスだった。この幅を使ったクロスにつなげるために全体をコンパクトに保ち、ビルドアップやサイドでのサポートでもそつがない。しかし、課題はその精度。高木琢也監督は「大事なことは『個』に特化されます。やはりそこでクロスの精度の低さは改善していかなければいけないです」と確実に勝利につなげるために、クロスの精度を課題に挙げている。

山形もディエゴ、山崎雅人、川西翔太の1トップ2シャドーが攻撃を牽引。カウンターで多くのチャンスをつくり出せるようになり、「3人の距離は近くなってきた」と石崎監督もその連係の向上を認めている。その一方で、さらに得点を上積みするために、山形もまたサイドからの攻撃に課題を抱えている。前節は左ウィングバックのキム ボムヨンがアップダウンを繰り返し攻撃に絡んだが、高い位置では相手に対応されるシーンが多く、攻撃が左サイドに偏ったことでボールを失ったあとは逆サイドから攻められることにもつながった。「左ばっかりに偏ってると相手だって守りやすい。左に寄せておいて右に展開ができるというのがあればいい」(石崎監督)とサイドチェンジも使いながら左右のバランスにも留意できるかもポイントになるが、いずれにしても受け身のままでは相手ゴールを脅かすことはできない。

流れのなかからの話に限定すれば、得点の可能性がもっとも高いのは、山形は奪ったあとの素早い切り換えから前線3人のカウンターで攻めきる形。マークの意識が高い長崎の守備を破るには、ブロックをセットされる前、ラインが浅いうちが望ましい。長崎はやはりサイドからのクロス。その機会を増やすには、山形の前線からのプレッシャーをかわす必要がある。シュート数ほどに得点が得られていない山形と長崎。決着はロースコアか?それとも2点目、3点目が生まれるか?運命を決めるのは、これまでになく緊迫した90分だ。

以上

2014.10.10 Reported by 佐藤円
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