●佐藤寿人選手（広島）
Q:ヤマザキナビスコカップ通算得点タイ記録、おめでとうございます。
「ありがとうございます。たしか、準々決勝・浦和戦の後で、この記録の話をしていましたね（笑）。今日の試合で（中山さんやジュニーニョに）並べるとは、思ってもいなかった。だから、素直に嬉しいです。この記録があまり注目はされていない中で、自分はネットでヤマザキナビスコカップの通算得点記録を調べていたんです（笑）。日の目を浴びてくれれば、いいんだけど」

Q:それにしても、素晴らしい１点目でしたね。
「（高萩）洋次郎のクロスが全て。自分が欲しいポイントを感じてくれて、一番危険なボールを入れてくれた。スピード、コースも完璧だった。シュートは、GKが出てくるところでタメすぎると相手に当ててしまう。そうならないよう、コースをつくるイメージであわせた。直近の試合でゴールして、シオ（第一子が生まれた塩谷司）と一緒に「ゆりかごダンス」をやりたかった。代表からシオが戻ってくれば、また一緒に「ゆりかご」をやりたい。今日は、本人がいないのにどうかなとは思ったんだけど、新潟のシオに向かって、そして広島の奥さんや子どもさんに向かって、みんなでメッセージを届けようと話をしていたんです。代表では、もしかしたらシオがデビューするかもしれないし、僕らの頑張りがシオやミズ（水本裕貴）に伝わって、活力になってくれればと思います」

Q:シュートを撃つ前に、相手のDFの一瞬の隙をつけましたね。
「今日は前線の３人でうまくボールを引き出せていた。１タッチでパスを回せる距離感もよかった。相手DFは前に強い選手が揃っていて、強いコンタクトで当たってくる。それによってこちらの推進力を弱めようという意図だったと思うけれど、今日はその力を１タッチではがすことでうまく利用できた。洋次郎にボールが出た時もDFラインが高くて、GKとの間にスペースができていた。それを見つけることができて、あとは洋次郎のパスが全て」

Q:２点目も見事でしたね。
「あれも、洋次郎とのイメージが共有できていた。裏に欲しいという意図を感じてくれた。相手が寄せてきた中で、ダイレクトで打たなければ難しいタイミングだったんだけど、その中でいい判断ができたと思います。その前に相手と接触して痛みもあったんだけど、それが自分を研ぎすまさせてくれたのかもしれない（笑）」

Q:２−０はアドバンテージですね。
「確かにそうだけど、あまり余裕をもちすぎるとよくない。０−０のつもりで、アウェイゴールを狙いにいくつもりで行かないと。第１戦の評価は、２戦目の結果によって語るべき。２−０をポジティブに捉えすぎないこと。柏はホームで強いし、難しい試合になる。相手に先に点を与えると、勢いを持って臨んでくるから」

Q:後ろには、このポジションをやったことのない選手（清水航平）がいました。
「先制することで、後ろの負担を楽にさせたかった。ただ、そういう心配はいらないようなプレー。チームにとってのプラスとなったし、はっきりとしたプレーを見せてくれましたね。もともと経験もあるし、シオやミズ、（宮原）和也がいない中で不安もあったけれど、その不安を吹き飛ばしてくれました。チーム力を感じたし、今日の試合に出れなかった選手も『次は俺が』と思ってくれている」

Q:2010年の時は怪我もあって、決勝のピッチには立てませんでした。だからこそ、の思いはありますか？
「あります。チームとしては決勝で敗れた『忘れ物』を取りに戻りたいという気持ちもあるでしょう。でも、僕はピッチにすら、立てていないから。あの素晴らしい決勝に立ってタイトルをつかみたい。そのためにも、柏に勝利しないといけない。引き分けでも上にいけるが、理想は勝つことだから」

●清水航平選手（広島）
Q:急遽、CBとしての起用でした。
「初めてCBをやるということで、いろんな人にアドバイスをもらいながらやりましたね。１対１の場面が多かったのですが、対峙する相手に負けなければ大丈夫と言い聞かせながら、やっていました。迷ったら中を絞ろうと思っていました」

Q:失点ゼロに抑えられましたね。
「よかったです。失点していたら、いろんな人に言われるところでした。しっかりと、チームとして守れました」

Q:中２日でまた試合があります。
「どういう感じでやればいいのか、ある程度はわかりました。今日、失点ゼロで終えられたことは、自信につながります。ただまだ前半が終わっただけ。気を引き締めて戦いたい」

Q:センターバックで使われる予感はありましたか。
「全く思っていませんでした。（代表に２人、U-19代表に１人が招集され）誰がそこの位置に入るんだろうと話していたくらいです。ただ、練習でビブスを渡されて後ろに入った時、“しっかりやらないといけない”という気持ちが強くなりました。渡された時はビックリしましたが、監督は自分がやれると思って任せてくれた。その期待に応えようと思いました」

Q:試合の入りは緊張しましたか。
「後ろの選手以外は、練習でシュートを２本打ってから、入るんです。それが今日はロングボールでヘディングの練習から入った。全然、しっくりときていませんでした。そういうところからジワジワと実感が湧いてきて“今日は後ろなんだ”と思いましたね」

Q:公式戦では初めての経験ですか。
「ケガ明けの時、練習試合で少しだけやったことがありますが、ほぼ初めてです」

Q:タイトルのかかった試合で初経験のポジション。
「サイドなら攻撃も守備もありますが、後ろなので“割り切って、守備をしっかりとやろう”と思って、試合に入りました。まだまだできていないところはたくさんありますが、チームとして失点ゼロに抑えられてよかった」

Q:攻撃陣が２点とってくれました。
「もう１点とれるチャンスがありました…。でも前半90分を２−０で終えられたのは大きいと思います」

Q:次はアウェイの柏戦です。
「ついこの間、あのスタジアムでやっているので、雰囲気に呑まれることはない。自分たちのプレーができればいい結果が出せると思います」

Q:千葉（和彦）選手から何か声をかけられましたか。
「試合が終わった後、“安心するな”というのを10回くらい聞きました。今日は試合中からよくお互いに声をかけ合っていましたし、ハーフタイムにも“こうしたらいい”“こうしてほしい”とコミュニケーションがとれていました」

Q:レアンドロに対して。
「１対１になるのはわかっていました。あそこだけはしっかり抑えろと言われていたので、最低限の仕事はできたと思います。最初のプレーで、ヘディングで競れたことが自信につながりました」

Q:時々攻撃で上がるシーンもありましたね。
「タイミングをはかって上がっていましたが、後ろなんでグッとこらえていました。（ファン）ソッコが上がれば自分は千葉くんのカバーができるポジションに入ろうと、バランスをみながらプレーしていました」

●柴崎晃誠選手（広島）
「ゴールを許さず、ホームで勝利することだけ考えてやっていました。特に攻撃のところは、後ろで組み立てて前に入れようと縦の意識を心がけていました。（清水）航平は初めてのポジションだったのに、しっかりとやれていた。みんなでつかみとった勝利です。
まだホームの試合が終わっただけ。アウェイは厳しい戦いになると思います。失点しないようにするのはもちろんですが、守るだけではなく、攻撃することで自分たちのサッカーができるので、そこを目指して戦いたい。ACL（ウエスタンシドニー戦）ではホームでリードしながらアウェイで負け、痛い思いをしているので、そこは繰り返さないようにしたい」

●桐畑和繁選手（柏）
「180分で１試合という考え方でいうと、前半が終わっただけ。今日は負けてしまったが、次の試合ではホームのアドバンテージを存分に生かして戦いたい。僕たちのサポーターの応援は力強いし、ホームでは負けていない。守備陣は失点ゼロに抑え、得点とって決勝にいけるよう、あと２日でしっかりと準備したい。広島は前の３人が流動的に動いてくるし、強烈でした。絶対にやらせてはいけない（佐藤）寿人選手のところで失点してしまったのは残念。もっと集中しなければ。日曜日はしっかり修正して勝ちます、ホームで!!」

●工藤壮人選手（柏）
「準決勝という大事な試合で、１つ・２つのミスをしっかりついて決めたのが広島だった。１点目を失うまでは拮抗した戦いだっただけに、もったいなかったですね。２点目も完全に防げたものだった。今日はチーム全体として全然声が出ていなかった。声をかけるタイミングや集中力の問題だと思う。しっかり切り替えて戦いたい。ただ、まだ挽回するチャンスもある。次は攻めるしかないわけだし、割り切って攻撃に専念したい。次はホームというアドバンテージがある。今年はホームで負けていないので、自信を持って入りたい。広島は守りに入るのか、攻撃的にいくのか迷うところかもしれない。こっちが先に点をとれれば波に乗っていけると思うので、早い時間帯で得点が欲しいですね」

以上