8日間で3試合というタイトなスケジュールで開催される今カード。秋の涼しさを感じるようになった大分で、現在勝点50で6位の大分が、同43で13位の長崎と対戦する。初顔合わせとなった前回の対戦は、互いに特徴を消し合いスコアレスドローとなった。
大分は前節、敵地で横浜FCと対戦しアディショナルタイムに若狭大志の値千金の同点ゴールで「勝点1をもぎ取った」(田坂和昭監督)。リズムと勢いを生み出そうと積極的にボールを奪いカウンターを狙ったが、相手の帰陣が早く狙いとする展開に持ち込めなかった。
この試合について田坂監督は、「中2日でのアウェイ。しかもキックオフ時間が夜から昼間に変わった初めての試合。実際の気温よりピッチの体感温度は高く、いつもとリズムが違った」と外的要因を挙げた。確かに選手の動きは重く、前々節の福岡戦のような躍動感はなかった。ビルドアップの際もミスが多く、自分たちのペースに持ち込むこともできなかった。ただ、悪いなりにも粘り強く守り、先制されてからは交代でピッチに立った伊佐耕平、風間宏矢がボールの奪いどころを明確にするスイッチャーとなり、良質なクロスで同点ゴールをアシストした木村祐志が流れを呼び込んだのは収穫だった。
一方、長崎は前節アウェイで讃岐に勝利し2連勝中。整理された堅守で我慢強く、粘り強くプレーし、最後に深井正樹選手が移籍後初ゴールを決めた。高木琢也監督は試合後に、「課題はたくさんあるが、今日の讃岐との対戦で言えばパーフェクトなゲームだったと思う」と振り返ったように、90分を通して落ちない運動量を武器に1−0で勝利する術を知っている。
今の順位から『大逆転』での昇格を狙うなら、勝ち試合のあとの良い流れを維持し、確実に勝点を積み上げなければならない。そのためには、もう負ける試合などあってはならない。
大分にとって今季最後のバトル オブ 九州。両チームの特徴から点の奪い合いになるとは考え難い。「セットプレーが重要となる」と語った田坂監督。大分は伊藤大介、長崎は石神直哉と素晴らしいプレースキッカーを擁する。相手を押し込めばリスタートのチャンスは増え、押し込まれたらリスタートのチャンスを与える。『自分たちの流れ』が来るまで我慢比べを強いられる固い試合になると予想されるが、システム上ミスマッチの起きやすいサイドの攻防、スコアが動いてからのベンチワークを含めた駆け引きに注目したいところだ。
以上
2014.09.27 Reported by 柚野真也
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