富山は15本のシュートを放ったが無得点に終わり４試合ぶりの黒星を喫した。群馬は第２・３節以来となる今季２度目の連勝。FWダニエル・ロビーニョが今季10点目を挙げて決定力の違いをみせつけた。

富山は前線３人の一角にMF白崎凌兵を４試合ぶりに先発起用。守備ブロックに入り込んで攻撃の起点になる働きを期待した。一方の群馬は前節の［４-４-２］から［３-４-２-１］にフォーメーションを変更して臨んだ。
最初に好機をつくったのは群馬だった。前半４分にMF青木孝太がワンツーで抜け出して左サイドからペナルティーエリアに進入。シュートはＧＫの体に当たりクロスバーを直撃した。
しかし、その後は富山が主導権を掌握した。中盤での連動したプレスでボールを回収して相手を押し込んだ。同７分にMF前貴之のミドルシュートが枠を捉える。同12分にはDF池端陽介のロングパスからFW苔口卓也が狙う。同30分前後にもMF木本敬介やFW宮吉拓実のクロスでゴールに迫った。

群馬は「前半は我慢強くやらなければならなかった。しっかりと耐えたことが一番の勝因。40分以上我慢できたことに成長と強さを感じる」と秋葉忠宏監督が振り返る。同41分にカウンターから決定機を創出。ロビーニョがＧＫの動きを見て流し込む。富山の池端が全力疾走で戻りながらスライディングでかき出したが、このシーンを境に反撃が始まり、後半８分に決勝点となる先制ゴールが生まれた。左サイドのMF瀬川和樹が縦に仕掛けてクロスを入れ、ニアサイドに飛び込んだロビーニョが決めた。スピード、精度、迫力が伴った鮮やかなゴールシーンだった。ロビーニョは同14分にもミドルシュートを枠内に飛ばし、富山に脅威を与え続けた。

富山は中２日の連戦と、25.2度の暑さや強い日差しもあって運動量が落ちた。同20分にMF朝日大輔とMF大西容平を投入して立て直しを図る。朝日は病気療養からの復帰。ホームでの出場は劇的な決勝点を挙げた第20節・長崎戦以来で約３カ月ぶりだった。直後にあの時を再現するようなミドルシュートを放ったが、ＧＫの好セーブに阻まれた。
攻撃のギアを上げたかった富山だが、群馬がうまく逃げ道を探してパスを回すため、なかなかボールを奪えなかった。DFパク・テホンを前線に上げてパワープレーから何度かシュートチャンスはつくったものの得点は奪えなかった。21位の讃岐も敗れたため勝点差は９のままだが、残り試合は９に減った。勝利以外は後退といえるほど生き残りをかけた戦いは佳境に入っている。心身の疲れをいやし、28日にホームである次節・福岡戦に備えなければならない。

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2014.09.24 Reported by 赤壁逸朗