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【J2:第32節 岡山 vs 愛媛】レポート:愛媛に圧倒されながらも岡山が先制したゲームは、最後の一発でドローの結末に。(14.09.21)

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シュート数は岡山の「7」に対して、愛媛が「16」。とくに前半は、明確な意図とテクニックで愛媛が岡山を圧倒した。しかし後半に入って修正した岡山にスコアは傾く。岡山がどうにか逃げ切れるか、という空気が漂い始めた後半アディショナルタイム、3本目のCKから愛媛・林堂眞が今季初ゴールを決めて同点に追いついた。岡山は前節・松本戦の90+4分の決勝ゴールで歓喜に湧いたが、今節は90+2分に同点ゴールを許すことになった。

愛媛のセットプレーを続けてしのいだ岡山は、8分、田中奏一からのクロスを押谷祐樹が右足でコントロールしてシュートを放つが、愛媛GK児玉剛が落ち着いて対応する。岡山はロングボールを使ってトップの清水慎太郎に集めるが、影山雅永監督が「我々の選手もプレッシャーは掛けに行っていたが、(相手は)嫌な所、嫌な所にボールを外すことが出来ていた」と振り返った通り、前線からのプレッシャーが効かない状態に陥る。愛媛は攻守の切り替えも速く、また西田剛、河原和寿、堀米勇輝の前線3人に、両ワイドのハン ヒフン、キム ミンジェが絡んで、アクセントも有効なリズミカルで複雑な攻撃とシンプルな突破の両方を仕掛けてきた。

21分には左サイドのキム ミンジェから、ペナルティエリア内、右にいる西田にクロスが送られ、西田がマークをかわしてシュート。これはバーに跳ね返される。岡山と愛媛は今年、開幕前の練習試合と天皇杯2回戦を含む3戦を戦っている。とくに7月の天皇杯での敗戦から岡山は、愛媛の「巧さ」は十分にわかっており、最終局面に対応しながらも、打ち込まれるミドルシュートなどに関しては、相手の精度に欠けた部分に助けられることが多かった。前半の岡山の問題点は、むしろ組み立ての途中でボールを奪われたり、パスをカットされていたこと。なかなか前線に収めることが出来ず、後半に入ると岡山は久保裕一を投入。続いて片山瑛一が投入された61分以降は、岡山は影山監督が意図した「出力」を存分に発揮した。

前線から追いかける岡山に対し、守勢になった愛媛だったが、75分には河原のゴールがオフサイドと判定された。その直後の76分、岡山は右サイドで田中奏一が倒されながら片山につなぎ、ゴール前で待っていた久保が片山からのクロスを頭で押し込んで先制に成功。久保は第30節・磐田戦に続いてホーム戦連続ゴールとなった。その後も3試合ぶりの出場となった三村真の仕掛けで追い込み、このまま攻め込みながらゲームを終えたい岡山だったが、最後の最後に待っていたのは、愛媛の同点劇だった。後半アディショナルタイムは2分。その間、堀米のシュートから始まった愛媛のCKが続いた。GK児玉も上がり、全員で気を吐く愛媛。その3本目、キッカー堀米のふわりとしたボールをクリアしたこぼれ球を、いい位置にいた林堂が右足を振り切って岡山ゴールに突き刺し、同点に追いつき、ゲーム終了のホイッスル。

現在の順位など関係なく、質の高いプレーを見せた愛媛がゲームを面白くした印象だ。リーグ戦42分の1の面白さとリーグ戦終盤の妙を、後手に回りながらも先制には成功した岡山は深く受け止める。この「勝点1」という結末は、両チームにじんわりと悔しさを刻み込んでいる。上を目指すということは、今までよりはるかに強くならなくてはならないということ。かつてなかったほどの強さを身につけて、発揮しなければ、戦いを続けられないということだ。

以上

2014.09.21 Reported by 尾原千明
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