●渋谷洋樹監督（大宮）：
「私がこういう形で監督になるのは、大宮というクラブにとって非常に大きな決断でした。J1で17位という状況で、これだけ多くのファン・サポーターが応援に来てくれて、我々を後押ししてくれていることを非常に嬉しく思いました。本当に我々の力になって、今日は選手が躍動してくれた。ファン・サポーターの皆さんに感謝しています。私はリーグ戦残り12戦全勝を目指して、一戦必勝を目指していくことを、それが最終的にどういう勝点になるか分かりませんが、そう選手たちにも伝えています。必ずファン・サポーターの方には続けてともに戦っていただきたいというのが私の希望です。

愛媛さんはチームとしてやることがハッキリしていて、まとまったチームだという印象で入った。そこに向けてしっかりとボールを動かさなければ活路は見えない、得点も入りづらいんじゃないかと思っていた。もちろん愛媛戦もあったが、その前に守備の修正をやっていたので、攻撃の面ではあまりトレーニングをできていなかった。全体的に見て、ボールの動かし方はもう少し練習しなければいけない。今日は選手の力で入れてくれた。私というよりは、選手の力、感性、センスというところで点が入った。ただ、試合の中で前半を含めて、良い奪い方から良い攻撃というところでは、一つテンポは遅かったが、良い形で取れているシーンはあったので、それを続けるということ。あとはボールを動かしてサイドチェンジから決定的なシーンは前半から少しあったので、それをやり続けるということはハーフタイムに選手に言った。それをやり続けてくれたことが、最終的に結果になった。ただ、1失点目はセットプレーのセカンドボールで取られてしまった。1点を取られると非常に厳しい、我々はパワーを使わないといけないということを実感した。あれがJ1との戦いだと返せなかったり、追加点を取られたりすることにもなる。そこはしっかり修正しないといけない。愛媛さんもあれだけしっかりとしていたので、どうこじ開けていくかを考えながらやっていた。非常に素晴らしいチームなので、『どうしたらいいかな』と考えながらやっていた。PKで大きく状況が変わった。富山選手の特長によって得点、PKを得たので、それは非常に良かったと感じている」

Q:監督就任後の初戦で勝利を得たことについての感想は?
「私が勝ったとかいうのは、あまり感じない。天皇杯でベスト8まで進めたということが率直にうれしい。対愛媛に向けて今回出ていない選手たちも相手チーム（想定）の役割をしてくれたので、それが今日の結果に結び付いた。それが非常にうれしい」

Q:和田選手が素早いスライドから良いタイミングで前に出てプレッシャーを掛けるシーンが目についたが、監督からの評価は?
「（和田）拓也がスライドしてボールを奪いに行っている、それは彼の特長でもある。相手のボールの動かし方とタイミングが良かったのかなと。『下がらずして前に取りに行きなさい』ということで、全体的にコンパクトだったからできたのだと思う。彼がどうこうというよりは全体的なチームのコンパクトさが、そういう状況を生んだのだと思う。それ以外の選手も奪っていたと思うので、彼自身だけというわけではない」

Q:コンセプトであるボール中心の守備の達成度は?
「もう一度ビデオを見てみないといけないが、全体にボール中心ということは相手に惑わされずに守備をする、ここにボールがあったらここにポジションを取るというハードワークが必要。そのハードワークをしているか、していないかというところが一番重要なポイント。それはまたビデオを見ていきたい。もちろん相手がシステム上アンマッチなので、いろいろなボールの状況がある。ただ、それがコンパクトさを作った中でボールを奪いに行っているか、何となく相手のミスでボールを奪っているのかをちゃんと見極めないといけない」

Q:次は中2日で鹿島戦を迎えるが？
「守備に関してはボール中心なので、相手どうこうではなく、もちろん立ち位置は変わるが、そこが強みだと思っている。あとは選手が全うして動けるかどうか。もう一度整理していきたい。メンバーも変わるかもしれない。相手のやり方もしっかり確認してやりたい。2日なので、明日、明後日でしっかりイメージさせたいが、基本的には鹿島だとか愛媛だとかいうのは、最後の最後のシミュレーションだけ。その前の基本的な守備のところを、どこの相手でも(通じるように)、そこはブレないでやりたい。あとは攻撃。守ってばかりでは勝てない。守って1本取るのも一つのやり方だが、カウンターもトレーニングしないと点は入らないと思うので。この短い時間にも準備したい」

以上