●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:前半と後半でガラッと試合の印象が変わり、相手が3トップにしてきて苦しんだ部分があったように見えましたが?
「確かに言われたとおり前半後半で別々のチームになってしまったと思います。当然ながら相手もそのシステム変更をしたり、攻撃的なカードをハーフタイムで入れてきたところで、相手はなにも失うものはないという勝負を仕掛けたところもありました。僕がハーフタイムに選手たちに言ったのは、2−0というスコアは非常に危険なスコアである、と。相手はちょうど一回ハーフタイムに入って、監督の指示を受けて気持ちを高めて後半の頭から早い時間帯に得点をして、自分たちの流れを作りたいという意向を持って入ってくると。だから集中力、注意力をもって入らなければいけない、と。それができれば10分、15分なので、それを耐えることができれば自分たちの流れに持っていくことができる、と。そこで足りなかったのは経験値というところだと思います。梅鉢(貴秀)選手は前半は非常にすばらしいパフォーマンスでした。ただ、後半になるとどうしてもペース配分というところで、試合を継続してできていないところでそういうペース配分がわからず、もし小笠原(満男)選手がいれば柴崎(岳)選手ともう少しパスワークでゲームコントロールする、相手をいなす、ボールを持ちながらいなす、というところができたと思いますが、残念ながらそうした経験値が足りませんでした。もうひとつ経験値というところでは相手が圧力をかけてくる。そこでも気持ちをしっかり入れて、集中力と注意力を高めて10分、15分、後半の立ち上がりに入れてはいらなければいけないところで、緩んだ状態で入ってしまって、相手の勢いにのまれてやられてしまいました。それもおそらくPKだったのか、違うのかは僕が言うことではないです。ただ、時間帯が4分から6分だったと思いますが、そこで失点してしまい、流れを失ってしまいました。自分たちがもっと苦しい展開で受け身になってしまい、自分たちが武器としているパスワーク、あるいはボールを保持するということができずに流れを渡し、僕は交代カードでその流れを止めようとしたのですが、残念ながら退場がありました。退場があったところで下りテンポになっていく、悪い流れになっていくところで、逆に10人になってから選手たちが、もう一度ハードワークをする、献身的に犠牲心を持ってやる、という運動量をあげたところは収穫としてはいいと思います。あれだけF東京のいろんな形の攻撃を最後まで耐え抜き、走りがんばったのは引き分けというご褒美になったのではないかと思います。当然ながらホームなので勝点3を取らないといけないのが自分たちの最大の目標ですし、それを達成しなければならなかったのですが、引き分けたという部分についても、全員が献身的にやったところはよかったと思います。前半だけでもこの試合を決められるチャンスがあって、後半も失点したあとも明らかに得点するチャンスがあったなか、今回は後半に関してはそれを決めることができなかったのは残念に思います。でも、それは後の祭りであって、決めるところでしっかり決めなくちゃいけない。自分たちの流れがどのようになっているのか、どちらに傾いているのか、自分たちが有利なのか不利なのか、ということを整理しながらプレーするというところで、頭を使うインテリジェンスはハーフタイムの表現として使わせてもらいました。
後半、約25分、30分くらいは守備にしかまわらない時間帯が多かったと思います。その要因としては前の方でボールを収めることができなかった。キープすることができなかった。相手にボールを渡すことが多くなったので、そういう状況に至ってしまいました。さすがに25分、30分くらいで守備をずっとやっていれば疲労が加わっていくので、相手も非常に能力の高い攻撃陣がいるのですから、その部分で疲労性からの判断ミスがあったのだと思います。ただ、そのなかでディフェンス陣は耐えるべき部分ではうまくできたのではないかと思っています。
我々にとっては引き分けというのは良い結果、総合的に欠けられた負荷や圧力を考えればよかったと思います。
交代のところでは、一つはジョルジ ワグネルが長いこと試合をしてなかったことで運動量が低下してしまいました。僕自身は、彼はもっと高いパフォーマンスを示すことができると期待しています。カイオのところを交代しなくてはいけなかったのは、カードをもらっていたことと、もう一つは退場者が出たので中盤のバランスを整えなければいけなかったのでそういったカードを切りました」
以上
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