●ペトロヴィッチ監督（浦和）：
「皆さんもご覧になった通り、非常に難しいゲームでした。広島との対戦は簡単ではありません。広島は長く一緒にプレーしている選手が多いですし、意思疎通のとれているオーガナイズされたチームです。守備ではしっかりとフィールドプレーヤーとGKが自陣に引いて、ブロックを作って守ってきます。そういった対戦相手を破って得点していくこと、また、Ｊ１で最も我慢できるチームである広島を前に引っ張り出すことは決して簡単なことではありません。
ただ、そういった相手に対して立ち上がりから試合をうまくコントロールして進められました。中央やサイドからの攻撃をうまく織り交ぜながらチャンスを作っていたなかで先制することができました。その後も２点、３点と点を取れる決定機はありましたが、点が取れない結果となってしまいました。そのなかでも相手のカウンタ−はケアできていたと思いますが、試合終了間際には相手にチャンスを作られてしまいました。おそらく試合のなかでたった一回の決定機だと思います。
その決定機を決められていれば同点というゲームでしたが、幸運なことにそれを決められずに、あるいは（西川）周作がいたことにより、それを許さずに１−０で勝てたことは非常によかったと思います。我々と対戦する相手は今後もそういった戦い方をしてくると予想できますし、そういう相手と戦うことはやはり簡単ではありません。ただ、我々としてはそういう戦いを挑んでくる相手に対しても、しっかりと自分たちの戦いをして打ち破って勝負していきたいと思います」

Q:前半に点を取った後の攻めについてはどのような感想を持っているか？
「０−０の状況であれば、相手が自陣にブロックを作って全く前に出てこないことは考えられます。我々はそのなかで１−０でリードしました。本来であれば、出てこないなら前に攻撃を仕掛ける必要はありません。我々は１−０でリードしているからです。１−０でリードした後、我々は後ろでボールを動かしながら挑発するような形で前に出てくるようなボールの動かし方をしましたが、相手はそれに対して全く前に出てくる様子はありませんでした。
１−０でリードしている状況であれば、GKまでボールを下げて、そこでボールを動かしていればいいです。ただ、そういうなかで後ろで動かしながらも、時おり攻撃を仕掛けにいく攻撃的な姿勢を見せました。どちらも攻めない、あるいはどちらも仕掛けない展開は見ている人にとっては非常につまらない試合になります。しっかりと攻撃の糸口を探りながら、そういう展開のなかでも攻撃を仕掛けたと思いますし、チャンスは作れていたのはよかったと思います。
例えば、ホームで相手に１−０でリードされている展開で、それでもボールを奪いにいかない戦いをしたら、おそらくうちのサポーターは二度と試合を見にこないのではないでしょうか。我々は相手がああいった戦いをしてくるなかで、自分たちのやるべき最善を尽くしたと思います。チャンピオンズリーグでバルセロナとチェルシーが戦ったときに、チェルシーは非常に守備的な戦いをして勝利しましたが、バルセロナの選手たちでもあれだけしっかりブロックを作られて守られたら、なかなか突破することは難しいです。バルセロナの選手でそうであるならば、浦和の選手も難しいというのは分かると思います。いいゲームを成り立たせるには、両チームがサッカーをして初めて成り立つと思います」

Q:アギーレ監督が見ている試合だったが、選手たちが新監督にアピールしようという意気込みを感じたか？
「選手が特別にモチベーション高く戦ったとは思っていません。浦和が勝利するために、選手たちはいつも通り全力で戦ったと思います。選手は代表あっての選手ではありません。選手はチームで戦ってこその代表選手です。彼らがお金を得ているのは浦和というクラブです。そのクラブのために戦うことが代表の前にないといけません。ただ、チームがＪリーグで首位をいくということは代表にいく一番のいい名刺であることは間違いないと思います」

Q:永田（充）選手のリベロ起用はいつ決断したのか？
「今日、永田選手をリベロで起用することを決めました。相手が守備的にくるということで、阿部（勇樹）、（鈴木）啓太、（青木）拓矢といった選手を起用することによって、我々がいい仕掛けができることも狙いとして考えていましたが、永田も後ろからの攻撃の組み立て、持ち出し、パスというところでいいものを持っている選手です。阿部自身が長いことリベロをやっていないということもあり、慣れてる選手を起用した方が良いだろうと考えて永田選手を起用しました」

以上