J1リーグ戦折り返し地点を目前にして、13位。勝点35で4連勝中、首位を走る浦和とは、ダブルスコアに近い17ポイントの差をつけられたC大阪。16位甲府との差も、わずか1と、依然として苦しい状況だ。ここから這い上がるためにも、負けられない戦いが続く。そのなかで、前半戦最後の第17節では、勝点31で2位と好位置に付ける鳥栖を、ホームのキンチョウスタジアムに迎え撃つ。
J1、J2をあわせたリーグ戦通算対戦成績では、10勝2分け6敗と、C大阪がリード。しかし、J2時代の2009年シーズン最終節でも逆転負けで目前でJ2優勝を阻まれたり、昨シーズンの天皇杯4回戦でも惜敗、J1第30節でのリーグタイトル獲得が遠のく痛恨の黒星をつけられた。そのように、鳥栖といえば、C大阪がこれまで要所で痛い目にあわされてきた相手であり、ハードワーク、タフで激しいフィジカルコンタクト、堅守速攻といったC大阪が苦手とする特長を持っているチームでもある。マルコ ペッツァイオリ監督のもと、ハイプレスサッカーをベースに立て直しを図っているC大阪だが、鳥栖は大きな壁。それでも、ここでその難敵に勝てば、後半戦に向けて大きな追い風となるはず。だからこそ、この一戦は、低迷脱却にかけるC大阪にとって重要なものとなる。
前節、C大阪はアウェイで甲府とスコアレスドロー。度々好機は作ったが、守備を固める相手からゴールを決めきれず。逆に、カウンターなどで再三ピンチを招き、守備陣の身体を張ったディフェンスや、相手のシュートミスにも助けられ、なんとかしのいだ試合だった。ただし、無失点は、C大阪にとって11戦ぶり。また、昨夏のJ1第19節で甲府の堅守速攻の前に敗れていることを考えると、攻めに行ったなかで負けなかったのは、ポジティブに捉えていい側面もあるだろう。
最近2試合は2引き分けに終わっているが、ペッツァイオリC大阪のサッカーは徐々に軌道に乗りつつある。その形をぶれずに進めていくためにも、リーグ戦新体制初勝利という結果が欲しい。そのなかで鍵を握りそうなのが、推進力のある選手の存在。鳥栖は前節、右サイドを個人で突破してきた登里享平にゴールを許している。そして、C大阪にも、南野拓実や楠神順平など個人で前に進める選手がいる。「前の試合とか、自分のところでもっとアクセントをつけたかったし、つけないといけなかった。そういうところ(推進力)は自分のよさでもあり、活かしていけるようにしていきたい」というのは、南野。彼らがいかに機能するかは、C大阪の結果を占ううえでは、ポイントの1つになりそうだ。
また、夏の新戦力のキム ソンジュンも注目したい1人。登録後即先発した2試合では、決定機で決めきれず、悔しい思いもした。「次の試合では決められるようにしっかり集中したい」と意欲を燃やすハードワーカーは、ペッツァイオリC大阪の核の1人。彼がゴールを決め出すと、チームも勢いに乗ってくるだろう。ちなみに、鳥栖の金民友とは「小学校から一緒にずっとやっている、よく知っている」間柄。キム ソンジュンのほうが2つ年上の先輩にあたる。「彼は左足が特長的だし、動く範囲がすごく広く、1人ではなんともできない。中でコミュニケーションを取りながら、マークの受け渡しをしっかりしなければいけない」と相手の10番にも最大限の警戒を払っており、この2人の韓国人選手同士の対決も見どころだ。
一方の鳥栖は、リーグ戦再開後、神戸に1-0と勝利するも、前節は途中で数的優位に立ちながら川崎Fに0-1と惜敗。首位・浦和との差が4に広がった。真夏の連戦でのハードワークサッカーの遂行は、いくら鳥栖といえども、厳しいもの。それでも、セットプレー、カウンターなど、チームの長所を最大限に活かしながら確実にチャンスを作り、豊田陽平、金民友、池田圭らに得点機は訪れており、川崎F戦では相手を上回る9本のシュートも放った。そのアグレッシブさを今回も示していきたいところ。昨シーズンのC大阪戦4試合で3得点を記録した「C大阪キラー」の金井貢史が、7月18日の練習中に負傷し、全治4週間と診断されているのは残念だが、プレッシングやハードワークではC大阪よりも鳥栖のほうが一日の長があるだけに、その持ち味を発揮し、まずは先手をとって、試合の主導権を握りたい思いも強いだろう。なお、播戸竜二にとっては、出場すれば古巣相手の初凱旋試合となるだけに、この9番の活躍からも目が離せない。
C大阪としていいデータは、キンチョウスタジアムでの鳥栖戦では公式戦4戦全勝中。果たして、その相性や、「なんとか試合で結果を出して勝つ」(キム ソンジュン)という強い思いが直結し、ペッツァイオリC大阪でのリーグ戦初白星、第3節以来のホームゲーム勝利を達成できるか。それとも、尹晶煥監督率いる鳥栖が、前半戦の好調を象徴する戦いでアウェイ戦をものにするのか。25日の日中は、37.1℃を記録した『酷暑』の大阪での一戦。試合も、両チームの激しいマッチアップで、さらにヒートアップすることは間違いない。
以上
2014.07.26 Reported by 前田敏勝
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